どうも皆さま、今回は3/31に行われる「大阪杯」のレース統計解説記事になります。
「大阪杯」は2017年から「G1」レースに昇格し、春古馬三冠レース初戦という位置づけとなる春の中距離王者決定戦とも言えるレースです。
特に過去に勝利した「キタサンブラック」・「スワ―ヴリチャード」は現在種牡馬として多大な人気を誇る馬となっており、引退後の評判にも関わってくる重要なレースと個人的には見込んでいます。
果たしてどんな馬が有利な傾向なのか!?今回も「出走数・複勝数・複勝率」の3視点から分析していきます。
今年の「大阪杯」の状況
2017年に「G1」レースへ昇格した「大阪杯」は「春古馬三冠初戦」・春シーズンの「中距離古馬G1」ということもあり強豪馬が揃うビッグレースと言えます。しかし、昨今は「ドバイ国際競走」へ遠征する馬も多数いるため、既に古馬戦で実績のある馬たちはあまり参戦してこない傾向になっています。
一方で、クラシック戦で活躍した有力な4歳馬や冬~春シーズンにかけて頭角を現してきた5歳馬などが古馬初タイトルを目指して参戦してくるので今年の中長距離レースを占うレースと言えるのではないかと思います。
現在の予報では、当日3/31の天候は「晴れのち曇り」、前日3/30も「晴れのち曇り」となっているので「良馬場」で行われる可能性が高いです。阪神競馬場のコース形状から考えても、パワーやスタミナよりもスピードが求められる展開になりそうです。
話題となる馬を挙げるとするならば、昨年の皐月賞馬でクラシック三冠全て複勝だった「ソールオリエンス」、同じく昨年のダービー馬でクラシック三冠全て連対だった「タスティエーラ」、前走から本格的に芝レースへ復帰した一昨年の皐月賞馬「ジオグリフ」、昨年3歳で「チャレンジC」を勝利し今年の「京都記念」2着と実力十分な「ベラジオオペラ」、「京都大賞典」・「京都記念」で重賞2勝の実力上々馬「プラダリア」、など昨年クラシック三冠で活躍した馬や既に古馬重賞を勝利している馬が多数出走予定です。
というわけで、どのような馬に有利なレースになっているのか早速傾向を見ていきましょう。
解説の前に:データ対象と統計項目について
本ブログでは「過去5年間のデータ」での統計を推奨しているため、本記事でもその方針に則って統計を取り分析を行います。
データ対象
本記事で解説する「大阪杯」は「2019年~2023年」までの期間で「大阪杯」に出走し完走した馬」を「データ対象」とします。
また、前走レースのデータは、前走が「海外レース」の場合は国内レースと同様なデータを取得できないので、「最後に出走し完走した「国内レース」」を前走レースの参考データとします。前走が「未出走」または「未完走」の場合も同様に「最後に出走し完走した「国内レース」」を前走レースの参考データとします。
統計項目
データ対象から抽出するデータは「本レース項目」と「前走レース項目」の2種類に分けました。それぞれに該当する項目は以下になります。
本レース項目
・枠番
・性別
・年齢
・オッズ
・馬体重
・馬体重の増減率(※1)
・斤量馬体重比率
・レース間隔
以上、8項目
(※1)馬体重の増減率は前走レース時と比較して算出。前走レースが「未出走」・「未完走」または「海外レース」の場合は「レース出走時点で最後に完走している国内レース」のデータを参照し、そのレ―スにおける馬体重と比較して算出。
前走レース項目
・前走レースの開催競馬場
・前走レースの格付け(※2)
・前走レースのコース距離
・前走レースの馬体重
・前走レースの馬体重の増減率(※4)
・前走レースの斤量馬体重比率
以上、6項目
(※2)条件戦のクラスは現行の勝数による分け方を基準とし、過去のクラス分けは現行の基準で換算。(500万下⇒1勝クラス・1000万下⇒2勝クラス・1600万下⇒3勝クラス)
また、リステッドレースはオープンレースとして換算。
(※3)前走の馬体重の増減率は前々走レース時と比較して算出。前々走レースが「未出走」・「未完走」または「海外レース」の場合は「前走レース出走時点で最後に完走している国内レース」のデータを参照し、そのレ―スにおける馬体重と比較して算出。
「大阪杯」の傾向とは?
枠番の傾向
それでは早速「枠番」のデータから見ていきましょう。「複勝率」を見ると「5枠」が最も高く、「5枠」から離れていくほど「複勝率」が低下していく顕著な傾向が分かります。また、内側の「1枠」~「3枠」は「4枠」以降の枠番と比較して「複勝率」が低くなっています。
性別・年齢
「性別」と「年齢」の傾向です。今回から「性別」は「牡馬」と「セン馬」を合わせて集計しています。「セン馬」の母数が少なく、元々は「セン馬」も「牡馬」であり斤量や身体能力に差があるわけでもないので合計して問題ないという判断でそのような形になりました。
改めて「性別」の傾向は、「牡馬・セン馬」の方が出走すが圧倒的に多いのですが、複勝率で見ると牝馬の方が如実に高いという傾向になっています。
「年齢」では「4歳」・「5歳」のみに「複勝数」が分布しており、他のレースと比べれて「年齢」は若いほうが極端に有利な傾向と言えます。この点に関しては非常に明確で限定される条件になるので基準としては非常に扱いやすいと思います。
オッズ・前走レースのオッズ
「オッズ」に関しては比較的に幅広い階級へ「複勝数」が分布していますが、一方で「2.4≦~<7.2」倍の高人気帯で「複勝率」が50%に近く高い割合になっているので、人気上位馬が1頭以上は入る可能性が高いです。
「前走レースのオッズ」は「複勝数」の分布が比較的に狭く限定的なので、ふるい落としに使う基準としては非常に扱いやすいと思われます。少なくとも「21.6≦~<64.8」倍以降に該当しているならば避けた方が良いと言えます。
斤量馬体重比率・前走レースの斤量馬体重比率
「斤量馬体重比率」と「前走レースの斤量馬体重比率」は「出走数」と「複勝率」が逆の傾向になっているように見えます。つまり、「出走数」の多い「11.8<~≦12.2」%の「複勝率」よりも、「出走数」の少ない「10.4<~≦11.0」%・「12.8<~≦13.6」%の「複勝率」の方が高いということです。そこまで大きな差ではないので比較的有利という程度の判断にはなりますが、傾向として気に留めておくと良いでしょう。
馬体重・前走レースの馬体重
「馬体重」と「前走レースの馬体重」に関しても「出走数」と「複勝率」が逆の傾向になっており、上述の「斤量馬体重比率」と「前走レースの斤量馬体重比率」よりも顕著になっているように見えます。特に「前走レースの馬体重」は「460<~≦480」kgと「480<~≦500」kgの比較的に平均的な馬体重の階級は「複勝数」が「1~2」回しかないので他の傾向で顕著に有利な要素がない限りは避けた方が良いと言えます。
馬体重増減率・前走レースの馬体重増減率
「馬体重増減率」は「複勝率」の傾向を見ると前走レースよりも重くなっている馬の方が比較的に有利な傾向になっています。特に「0.0<~≦1.0」%以降から顕著に上昇しているので、目安としては「2」kg以上馬体重が増加しているようならば目星を付けていいのではないかと思います。
「前走レースの馬体重増減率」に関しては「出走数」と「複勝率」が逆の傾向になっており、増減が大きい方が比較的に有利な傾向と言えます。「-1.0<~≦0.0」と「0.0<~≦1.0」の範囲内では他の傾向で顕著に有利な要素がないならば避けていいと思います。
レース間隔&前走レースのコース距離・場所・格付け
「レース間隔」と前走の「格付け」・「競馬場」・「コース距離」の3項目の傾向です。
「レース間隔」としては「複勝率」で比較すると「中12週~」の鉄砲明けの馬が有利に見えます。それ以外では比較的に「中4週~中5週」の馬の「複勝率」が高く、他の「複勝数」もその前後の「中2週~中3週」・「中6週~中7週」にしか分布していないので、そこを目安に考えるとよいでしょう。
「前走のコース距離」は「芝1600」以外に「複勝数」が分布しており、最も高い「複勝率」が高いのが「芝2400」、比較的に低いのが「芝2200」になっています。
「前走レースの競馬場」は「複勝数」が分布している競馬場が幅広いため一概に有利不利を示すのは難しいように思えます。比較的に「中央場所」の方が「ローカル」よりも「複勝率」が高い傾向ではありますが大きな差ではないのでそこまで気にしなく良さそうです。
「前走の格付け」に関しては前走が重賞レースだった馬にしか「複勝数」が分布しておらず、「G1」・「G2」・「G3」で「複勝率」に大きな差がないという傾向です。
総合的に考えると、鉄砲明けではない馬の前走レースとして有利な候補は以下の通りです。
- 中2週「金鯱賞(G2)」
- 中2週「中山牝馬S(G3)」
- 中4週「中山記念(G2)」
- 中5週「小倉大賞典(G3)」
傾向の優先順位は?
以上のデータの傾向の強弱から項目に優先順位を付けるとするならば以下のようになります。
- 馬体重・前走レースの馬体重
- 馬体重増減率・前走レースの馬体重増減率
- 枠番
- 斤量馬体重比率・前走レースの斤量馬体重比率
- オッズ・前走レースのオッズ
- 性別・年齢
- レース間隔&前走レースのコース距離・場所・格付け
優先順位1位「馬体重・前走レースの馬体重」:「出走数」と「複勝率」が逆の傾向になっており、平均的な馬体重よりも極端に軽いor重いほうが有利な傾向です。特に「前走レースの馬体重」は顕著な傾向で「460」kg以下または「500」kg超過の馬は特に有利です。そのため、今回は優先順位を最上位にしました。
優先順位2位「馬体重増減率・前走レースの馬体重増減率」:「馬体重増減率」は前走レースよりも重くなっている馬が有利という傾向でした。「+2」kgを目安にすると良さそうです。「前走レースの馬体重増減率」は極端に増減があった馬の方が有利な傾向でした。「±6」kgを目安に絞り込むと良いでしょう。
優先順位3位「枠番」:「枠番」の傾向としては珍しく分かりやすい傾向でした。「5枠」を頂点として離れていくほど「複勝率」が低下していくので、「5枠」とその両隣の「4枠」・「6枠」から優先して選択するといいかもしれないです。
優先順位4位「斤量馬体重比率・前走レースの斤量馬体重比率」:「馬体重増減率・前走レースの馬体重増減率」と似た傾向になっていますが、こちらの傾向は比較的に差があまりないので優先度を少し低めに評価します。
優先順位5位「オッズ・前走レースのオッズ」:「オッズ」に関しては一般的なレースと同様な分布の傾向でしたが、「前走レースのオッズ」は分布範囲が限定的で判断材料に使えると思います。「~21.6」倍までなら考慮して良いでしょう。
優先順位6位「性別・年齢」:「牝馬」有利・「4歳」・「5歳」の若馬有利という傾向ではありますが、今年の出走馬は大抵の馬が「4歳」・「5歳」なので差があまり出ないです。「牝馬」に関しては判断材料に少し使えるかもしれないです。
優先順位7位「レース間隔」&「前走レースの格付け・競馬場・コース距離」:今回は他の要素と比較してあまり差が出ない要素だと考えます。重賞レースに前走で出走していればそれ以外に差があまり無く、強いて言えば「レース間隔」は鉄砲明けの馬でなければ「中2週~中7週」に分布しているのでそこが目安になるかどうかという感じです。
まとめ:現時点での「推奨馬」と「注目馬」は!?
「推奨馬」は「ジオグリフ」と「ベラジオオペラ」と「プラダリア」になります。
「ジオグリフ」と「ベラジオオペラ」は「前走レースのオッズ」・「前走レースの馬体重」・「前走レースの馬体重増減率」の3要素で有利な傾向の範囲内に収まっており、実力としても問題ないと言えます。「ジオグリフ」は「枠番」が傾向的にはやや不利ですが問題ない範疇だと思います。「ベラジオオペラ」は「枠番」が比較的に有利な「6枠」ですが、「馬体重」が軽くなりすぎると「馬体重」の有利な範囲内から外れてしまうので当日に注目したい点です。
「プラダリア」は「前走レースのオッズ」・「前走レースの斤量馬体重比率」・「前走レースの馬体重増減率」の3要素で有利な傾向の範囲内に収まっており、「枠番」も比較的に有利な「4枠」です。前走レースがあまり傾向が芳しくない「京都記念」ですが、実力は申し分ない馬なので問題ないと判断できます。
「注目馬」は「エピファニー」と「キラーアビリティ」と「ルージュエヴァイユ」です。
「エピファニー」は「前走レースのオッズ」・「前走レースの馬体重」に2要素で有利な傾向の範囲内に収まっており、比較的に有利な前走レースと思われる「小倉大賞典」を今年勝っているので好走する可能性が十分高いです。
「キラーアビリティ」は前走レースが「サウジ国際競走」の「ネオムターフ」であったためデータとしては前々走レースの「中日新聞杯」を参考にしていますが、「前走レースのオッズ」・「前走レースの馬体重増減率」の2要素で有利な傾向の範囲内に収まっており、「枠番」も比較的に有利な「6枠」です。当日の「馬体重」が増えているようならば好走する可能性は高いと思います。
「ルージュエヴァイユ」は傾向的に有利な「牝馬」であり「前走レースのオッズ」・「前走レースの馬体重増減率」の2要素で有利な傾向の範囲内に収まっています。他2頭の牝馬に比べれば条件が比較的有利ではあるので、牝馬の中では一番可能性が高いと考えられます。
以上が「推奨馬」と「注目馬」になります。
今回の記事は以上になります。閲覧ありがとうございました!!