【重賞レース2024】北の大地のサマースプリントシリーズ第5戦目!「キーンランドC(GIII)」の傾向と評価

レース別記事

 どうも皆さま、8月下旬になりましたが、夏の暑さはまだまだ続きそうですね。今週は札幌競馬場で行われる短距離重賞「キーンランドC(GIII)」の分析を紹介していきます。
 「キーンランドC(GIII)」の「キーンランド」というのは地名のことでアメリカにある「キーンランド競馬場」が由来となっています。その「キーンランド競馬場」は元々競売用の競走を行っていた競馬場で、その後に競馬レースも行うようになったという特徴的な歴史のあります。そのため、競馬レースよりも「キーンランド競馬場」で行われる競り市「キーンランド・セールの方が世界的には有名です。サイン馬券的にはその「キーンランド・セールに密接な関係にある馬が注目株かもしれませんね。
 はてさて、そんなサイン馬券の話よりも信用して頂きたいのが本記事の分析になります。今回は前回記事の分析からの変更点がいくつかあるため、その点も含めて分析の結果を紹介していきます!!

前回からの分析の変更点

1.走破タイム⇒上がり3F前タイム+上がり3Fタイム

 前回の「札幌記念(GII)」と「CBC賞(GIII)」の分析では「走破タイム」のデータのみを評価タイムとして利用しましたが、今回からは「上がり3Fタイム」のデータも評価タイムとして組みこむことにしました。
 理由は前回の「CBC賞(GIII)」の分析予想とレース結果が無視できないレベルで乖離してしまったからです。
 あとで様々な修正をした再検証を行いましたが、短距離レースであれば長距離レースよりも「上がり3Fタイム」の影響を受けやすいのではないかと至り、今回から「上がり3Fタイム」を評価に加えることにしました。
 しかし、「走破タイム」と「上がり3Fタイム」を総合的に評価すると、そのままでは「上がり3Fタイム」の部分が重複してしまいます。よって、「走破タイム」から「上がり3Fタイム」を差し引いた「上がり3F前タイム」と「上がり3Fタイム」を分析し、それの合計値を最終的な総合評価にすることにしました。

2.データ対象のレース条件を「同競馬場&同距離&特別競走&同時期」に変更

 今までのデータ対象のレース条件は分析する重賞レースと「同競馬場&同距離」に設定していましたが、今回からは「同競馬場&同距離&特別競走&同時期」にしました。条件に「特別競走」を加えることで比較的に質の高いレースのみを絞り込めるので馬の実力よりも傾向による偏りが見えやすくなります。
 また、JRAのレースは「1~5月」と「6~12月」で施行レースが切り替えるので、「1~5月」を「上期」、「6~12月」を「下期」と時期設定し、分析するレースと「同時期」のレースを抽出することにしました。
 これにより芝のコンディションや気候なども近似したレースのみを扱えるので精度を高めることができるのではないかと考えています。

解説の前に:データ対象と抽出方法

1.データの抽出

 分析データは過去5年間にJRAで開催されたレースの中から「キーンランドC(GIII)」と同様の「下期」に行われた「札幌芝1200m」の「特別競走」を抽出します。その抽出されたレースを「出走し完走した競走馬のデータ」がデータ対象となり、各馬の「上がり3F前タイム」と「上がり3Fタイム」の傾向を分析します。

2.データ区分ごとにレースタイムを抽出

 次にそれぞれのカテゴリーごとに分析項目別にレースタイムを抽出を行います。
 データ区分としては基本的に
・「枠番
・「斤量
・「オッズ
・「馬体重
・「馬体重増減率
・「斤量馬体重比
の6つに分けられます。

データ区分解説:斤量

 「斤量」は過去5年間のレースに出走した馬のデータ全体の度数を鑑みて、最小階級を「51㎏以下」・最大階級を「57㎏超過」とした上でその他の階級は「階級の幅」=「1kg」とした「階級」に分けて抽出を行います。
 よって階級は
・「51㎏以下」
・「51㎏超過かつ52㎏以下」
・「52㎏超過かつ53㎏以下」
・「53㎏超過かつ54㎏以下」
・「54㎏超過かつ55㎏以下」
・「55㎏超過かつ56㎏以下」
・「56㎏超過かつ57㎏以下」
・「57㎏超過」

以上8階級に分けられます。

データ区分解説:オッズ

 「オッズ」は過去5年間のレースに出走した馬のデータ全体の百分位数の「10%刻み」に該当する値と単勝オッズの理論上の最低値「0.8倍」を「階級」として抽出します。
 よって階級は
・「0.8倍以上かつ3.7倍未満」
・「3.7倍以上かつ5.7倍未満」
・「5.7倍以上かつ8.3倍未満」
・「8.3倍以上かつ12.6倍未満」
・「12.6倍以上かつ18.3倍未満」
・「18.3倍以上かつ27.4倍未満」
・「27.4倍以上かつ42.9倍未満」
・「42.9倍以上かつ71.9倍未満」
・「71.9倍以上かつ141.4倍未満」
・「141.4倍以上」

 以上10階級に分けられます。

データ区分解説:「馬体重」・「馬体重増減率」・「斤量馬体重比」

 「馬体重」・「馬体重増減率」・「斤量馬体重比」は「階級の幅」を、「過去5年間のレースに出走した馬のデータ全体から算出されたそれぞれのカテゴリーの標準偏差」を参考とした値にしています。
基本的に
「馬体重・階級の幅」=「30㎏」
「馬体重増減率・階級の幅」=「1.2%」
「斤量馬体重比・階級の幅」=「1.0%」

とそれぞれ設定しています。

それでは早速カテゴリーごとのT検定の結果から紹介していきます。

「キーンランドC(GIII)」の各データ区分のT検定

枠番:T検定と代表値

 「枠番」は「上がり3F前タイム」・「上がり3Fタイム」ともにほとんどの組み合わせでT検定が「0.05超過」だったので明確に差が出る要素とは言えないです。そのため、今回は「上がり3F前タイム」・「上がり3Fタイム」ともに評価データから外れます。

オッズ:T検定と代表値

 「オッズ」は「上がり3F前タイム」に関しては他のレースと比較すると差が出るラインが広めですが、「27.4倍≦~<42.9倍」と「42.9倍≦~<71.9倍」が境界となって明確な差が出ます。よって、「上がり3F前タイム」では評価カテゴリーとして採用されます。
 一方で「上がり3Fタイム」はほとんどの組み合わせでT検定が「0.05超過」だったのでそのため、今回は評価カテゴリーから外れます。

斤量:T検定と代表値

 「斤量」は「上がり3F前タイム」・「上がり3Fタイム」ともに多少まばらではあれでも、T検定で「0.05以下」になる組み合わせが見れるので明確な差が出るカテゴリーと捉えています。今回のレースはハンデ戦になるので非常に有益なデータになると思います。よって、今回の「斤量」のデータは「上がり3F前タイム」・「上がり3Fタイム」ともに評価カテゴリーとして採用されます。

馬体重:T検定と代表値

 「馬体重」も「上がり3F前タイム」・「上がり3Fタイム」ともに多少まばらではあれでも、T検定で「0.05以下」になる組み合わせが見れるので明確な差が出るカテゴリーと捉えています。よって、今回の「馬体重」のデータは「上がり3F前タイム」・「上がり3Fタイム」ともに評価カテゴリーとして採用されます。

増減率:T検定と代表値

 「馬体重増減率」は「上がり3F前タイム」・「上がり3Fタイム」ともにほとんどの組み合わせで「0.05超過」となっているため、明確な差が出ません。そのため、今回は評価データから外れます。

斤量馬体重比:T検定と代表値

 「斤量馬体重比」も「上がり3F前タイム」・「上がり3Fタイム」ともにほとんどのT検定で「0.05以下」なので非常によく明確に差が出るカテゴリーになります。よって、今回の「斤量馬体重比」のデータは評価データとして採用されます。

 以上より、評価データ区分として採用されるのは「上がり3F前タイム」は「オッズ」・「斤量」・「馬体重」の3区分、「上がり3Fタイム」は「斤量」・「馬体重」の2区分になります。

「CBC賞(GIII)」出走馬の評価タイム

 以上の表が評価カテゴリーのデータとそこからの評価タイムの平均データになります。「オッズ」に関しては現時点での予想オッズ、「馬体重」は前走レース(前走が海外レースの場合は、最後に出走して完走した国内レース時)を参考として掲載しています。
 現状では予測順位1位~6位までの馬が有力と思われます。よって、「サトノレーヴ」・「ビッグシーザー」・「エイシンスポッター」・「ゾンニッヒ」・「セッション」・「オタルエバー」・「プルパレイ」が複勝圏内に入る可能性が高いです。過去の実績を見ると「サトノレーヴ」は前走の「函館スプリント(GIII)」で見事に重賞初勝利を飾っており、函館競馬場に近い馬場の札幌競馬場でも好走する可能性は非常に高いです。
 分析としては以上になります。上述のように「オッズ」と「馬体重」は当日の発走直前1時間前以降にならないと断定しきれないため直前まで判断を確定させないように心掛けるとよいでしょう。

 今回の記事は以上になります。閲覧ありがとうございました!!