【レース解説2024】天皇賞・春へのステップレース!!「阪神大賞典」の傾向とは?

レース別記事

 どうも皆さま、今回は「阪神大賞典」のレース解説記事になります。
 過去の「阪神大賞典」というと「オルフェーヴル」の伝説的な逸走や「ゴールドシップ」の圧巻の3連覇など、不思議と「ステイゴールド」産駒に縁のあるレースで有名ですね。
 そんな「阪神大賞典」ですが、一番注目されるのは「天皇賞・春」のステップレースである点です。ここで好走した馬が「天皇賞・春」でも好成績を出すことはよく知られている話です。
 今年もスタミナ自慢のステイヤー達が出馬表に連なっていますが、果たしてどのような傾向が「阪神大賞典」にあるのか!? 今回も「出走数複勝数複勝率」の観点から解説します。

今年の「阪神大賞典」の特徴

 今年は現状の出馬表を見る限り、ここ20年間で最も多い「15頭」でのレースになる見込みです。2013年~2020年ごろまでは9~11頭の比較的少頭数のレースになることが多かったのですが、ここ3年間で頭数が増加傾向になっています。
 頭数が増えるということはレース中のポジショニングが激しくなる可能性が高くなるといことであり、長距離レースとなるとロスを如何に減らせるかが重要であるため、上に乗る騎手の技量が何よりも問われてくるでしょう。
 注目される出走予定馬としては、2月に行われる長距離レース「ダイヤモンドステークス」を2度勝利し一昨年の「天皇賞・春」で3着の好成績であった「テーオーロイヤル」、2021・2022年で「阪神大賞典」を連覇している強豪人気ステイヤーの一角である「ディープボンド」、今年の1月に行われた「日経新春杯」を制して期待上昇中の「ブローザホーン」、海外の長距離レースを勝利し昨年の「天皇賞・春」は3着と好走したもののその後長期休養となっていた「シルヴァーソニック」が挙げられます。
 どの馬も「2400」m以上の距離で好走している馬ばかりであるのでスタミナ自慢であることは間違いないです。問題はレースをロスなく走ることができるかどうかという点になってくるので、過去のレースの傾向というのは他のレースよりも重視されるかもしれないです。
 というわけで、過去の「阪神大賞典」の出走馬たちから分析した傾向を見ていきましょう。

解説の前に:データ対象と統計項目について

 本ブログでは「過去5年間のデータ」での統計を推奨しているため、本記事でもその方針に則って統計を行います。

データ対象

 本記事で解説する「阪神大賞典」は「2019年~2023年」までの期間で阪神大賞典」に出走し完走した馬」を「データ対象」とします。
 また、前走レースのデータは、前走が「海外レース」の場合は国内レースと同様なデータを取得できないので、「最後に出走し完走した「国内レース」を前走レースの参考データとします。
 前走が「未出走」または「未完走」の場合も同様に、「最後に出走し完走した「国内レース」を前走レースの参考データとします。

統計項目

 データ対象から抽出するデータは「本レース項目」と「前走レース項目」の2種類に分けました。それぞれに該当する項目は以下になります。

本レース項目

枠番
性別
年齢
オッズ
馬体重
馬体重の増減率(※1)
斤量馬体重比率
レース間隔
以上、8項目
(※1)馬体重の増減率は前走レース時と比較して算出。前走レースが「未出走」・「未完走」または「海外レース」の場合は「レース出走時点で最後に完走している国内レース」のデータを参照し、そのレ―スにおける馬体重と比較して算出。

前走レース項目

前走レースの開催競馬場
前走レースの格付け(※2)
前走レースのコース距離
前走レースの馬体重
前走レースの馬体重の増減率(※4)
前走レースの斤量馬体重比率
以上、6項目
(※2)条件戦のクラスは現行の勝数による分け方を基準とし、過去のクラス分けは現行の基準で換算。(500万下⇒1勝クラス・1000万下⇒2勝クラス・1600万下⇒3勝クラス)
また、リステッドレースはオープンレースとして換算
(※3)前走の馬体重の増減率は前々走レース時と比較して算出。前々走レースが「未出走」・「未完走」または「海外レース」の場合は「前走レース出走時点で最後に完走している国内レース」のデータを参照し、そのレ―スにおける馬体重と比較して算出。

「金鯱賞」の傾向とは?

枠番の傾向

 まずは「枠番」です。「複勝率」でみると「1枠」が突出して高く、その次に「5枠」・「3枠」が連なります。「1枠」の「出走数」が最少であることから考えてみても「1枠」が有利であるのは間違いないと考えられます。ロスなく走るとなれば内側の方が優勢になるのは当たり前と言えます。
 一方で、隣の「2枠」が全く「複勝数」が無いというのは不思議に感じます。「出走数」は「1枠」と同じく最少であるため、もしかしたらデータの偏りによるものかもしれないので少し気にする程度でいいのかなと思います。
 「6枠」~「8枠」の外側枠においても極端に不利な傾向があるようには見えないので、外側というだけで見切るようなことはしないほうがいいと考えられます。

性別・年齢

 「性別」と「年齢」の傾向です。「性別」は圧倒的に「牡馬」という傾向であり、それ以外に言及することがないです。「セン馬」に関しても他のレースに比べて出走数が多いのにも関わらず過去5年間では1頭も「複勝」に入っていないです。
 「年齢」では4歳」~「6歳までに「複勝数」が分布しており、「7歳」以降は全く「複勝数」が分布していないという傾向で、先週の「金鯱賞」と同様で驚きました。年齢を重ねるほどズブくなるのでキレが落ちるのは仕方ないのですが、スタミナに関してはそれほど衰えないという認識であったため、長距離レースで年齢の影響はあまり無いと考えていました。確かにレースが行われる「阪神」は「京都」・「中山」に比べれば起伏が特徴的というわけではないので高速馬場になりやすい傾向ではあります。それを加味したとしても意外な傾向でした。

オッズ・前走レースのオッズ

 「オッズ」は基本的には「0.8<=~64.8」倍に「複勝数」が分布しており、その点に関しては平常的であると言えます。しかし、「2.4<=~<7.2」倍よりも「7.2<=~<21.6」倍の方が「複勝数」が高いことを考えると中穴の馬のチャンスが高いと言えます。「出走数」を考えてみても、中途半端に人気上位な馬よりも中穴な実力馬を選んだ方が美味しいかもしれないです。
 「前走レースのオッズ」も低オッズの馬の方が比較的に有利であることが分かりますが、「64.8<=~<194.4」倍にも「複勝数」が分布しているので、前走レースが低人気だったからという理由で見切るのは危ないと言えます。

斤量馬体重比率・前走レースの斤量馬体重比率

 「斤量馬体重比率」は「複勝数」が集中的に分布して範囲が比較的に狭いので、見極める基準としては使いやすいかもしれないです。最も分布しているのが「11.0<~≦11.6」%で次に「11.6<~≦12.2」%の範囲内で、「11.4<~≦11.0」%と「12.2<~≦12.8」%の範囲内にも分布してはいるのですが、それぞれ1頭だけしか該当していないので基本的には「11.0<~≦11.6」%・「11.6<~≦12.2」%に該当する馬を選びたいです。
 「前走レースの斤量馬体重比率」は「出走数」の傾向よりも「複勝数」の分布が割合が高い方へ寄っていることが分かります。比較的に斤量の割合が有利と言える「9.8<~≦11.0」%では「複勝数」が分布しておらず、「11.6<~≦12.2」%で複勝率が最高になっているので、比率が高い方が若干有利です。「12.8<~≦13.4」以降の傾向に関しては「出走数」が分布していることが希少であるので傾向としてはあまり気にしなくていいと思います。(※主にメロディーレーンの影響です)

馬体重・前走レースの馬体重

 「馬体重」の「複勝率」のグラフは非常に起伏がある形になっています。基本的には「440<~≦460」~「520<~≦540」kgの範囲内に「複勝数」が分布しているのですが、「440<~≦460」kg・「480<~≦500」kg・「520<~≦540」kgの範囲内は高く、それらに挟まれている「460<~≦480」kg・「500<~≦520」kgの範囲は比較的に低いという傾向になっています。一言で言えば全体の平均馬体重に近いか大きく離れている馬は有利と言えますが、何故このような傾向になるのか理由は分からないです。
 「前走レースの馬体重」のグラフはより「馬体重」のグラフを極端にしたような形になっており、平均馬体重から大きく離れている範囲である「440<~≦460」kg・「520<~≦540」kgの範囲で「複勝率」が高い傾向になっています。
 とりあえず「馬体重」と「前走レースの馬体重」は平均馬体重と大きく差がある馬を選ぶといいのだと思いますが、その理由は様々な観点から調査する必要があるように感じました。
 

馬体重増減率・前走レースの馬体重増減率

 「馬体重増減率」は「複勝率」の傾向を見ると基本的には「-1.0<~<=0.0」%以降に「複勝数」が分布しているので馬体重が減っているよりも増えている馬の方が有利になると考えられます。
 「前走レースの馬体重増減率」に関しては「複勝数」の分布範囲が比較的に狭くなっているので、見極めに使えるかもしないです。「前々走の馬体重」が「500」kg以下の馬であるならば「±10」kg以内の増減量に収まっていれば問題ないと言えます。

前走レースの格付け・競馬場・コース距離

 前走レースの「格付け」・「競馬場」・「コース距離」の3項目の傾向です。
 「前走の格付け」は前走が「G1」レースだった馬の「複勝率」が最も高いのですが、それ以外は「3勝クラス」を含めてそれほど差がないように見えます。優先的に前走「G1」レースの馬を選び、その他の馬はそれほど差を付けずに見た方が良さそうです。
 「前走レースの競馬場」は最も「複勝率」が高かったのは「中山」、それ以外に「複勝数」が分布しているのは「中京」・「阪神」・「京都」・「東京」となっています。前走の場所がいわゆる「中央場所」であった方が「複勝率」は高い傾向で、「ローカル」は「中京」でなければ避けた方が良いでしょう。
 「前走のコース距離」は「複勝数」が「芝2000」m以上の距離に分布しているため、それより短い距離だった馬は見切ることをおすすめします。特に「芝2500」mだった馬の「複勝率」が高く、それよりも短くなるほど若干「複勝率」が低下する傾向があります。
 総合的に考えた時に、想定される前走レースのパターンが非常に多く挙げられるので有利になるレースを特定するのは難しいと言えます。強いて言えば、3項目それぞれで「複勝率」が高かった要素である「G1」・「中山」・「芝2500」の要素を持つレースとしては「有馬記念」が挙げられます。

レース間隔

 「レース間隔」の傾向は「中2週~中3週」以降から「複勝数」が分布しているため、分布の幅が比較的に広くなっています。「中10週~中11週」で「複勝率」が最も高くなっているので、上述の「格付け」・「競馬場」・「コース距離」の3項目の傾向と合わせて考えてみても前走レースが「有馬記念」だった馬は非常に有利であると言えます。

傾向の優先順位は?

以上のデータの傾向の強弱から項目に優先順位を付けるとするならば以下のようになります。

  1. 馬体重増減率・前走レースの馬体重増減率
  2. 斤量馬体重比率・前走レースの斤量馬体重比率
  3. 馬体重・前走レースの馬体重
  4. 性別・年齢
  5. オッズ・前走レースのオッズ
  6. 枠番
  7. レース間隔
  8. 前走レースの格付け・競馬場・コース距離

優先順位1位馬体重増減率・前走レースの馬体重増減率」:「複勝数」が分布している領域の幅が比較的に狭く基準が明確であると判断し、本レースにおいては優先順位が最上位と考えます。
優先順位2位斤量馬体重比率・前走レースの斤量馬体重比率」:上の「馬体重増減率・前走レースの馬体重増減率」と同様に、「複勝数」が分布している領域の幅が比較的に狭く基準が明確であるということで上位になると思います。
優先順位3位馬体重・前走レースの馬体重」:特徴的なグラフであり、全体の平均馬体重よりも大きく軽いor重い馬が有利という傾向でしたが、なぜそうなるのか理由の見当がつかなかったので上の2項目よりかは低めの順位にしました。
優先順位4位性別・年齢」:性別は圧倒的「牡馬」。年齢は意外にも「7歳」以降は避けた方が良いという傾向だったので
優先順位5位枠番」:「1枠」が最も有利で、比較的に内側有利。しかし、外側が極端に不利というわけではないのでそれほど差が出るような要素ではないと判断しました。
優先順位6位オッズ・前走レースのオッズ」:「7.2<=~<21.6」の中位人気馬は他のレースと比べて買い目と言える傾向でした。「前走レースのオッズ」は「64.8≦~<194.4」倍でも「複勝数」が分布しているので低いからと言って見切る必要はないかなと思います。
優先順位7位レース間隔」:「複勝数」が幅が広く分布していたため「中10週~中11週」の「複勝率」が高い以外の傾向を見ることができませんでした。。
優先順位8位前走レースの格付け・競馬場・コース距離」:「複勝数」が分布している要素が非常に多くあった影響で、「有馬記念」以外に有利なレースを特定して挙げることが難しかったので本レースにおいては最下位としました。

まとめ:現時点での「推奨馬」と「注目馬」は!?

 「推奨馬」は「テーオーロイヤル」と「サヴォーナ」になります。
 両馬とも「6歳」以下で「前走の馬体重」は「テーオーロイヤル」が「452」kg、「サヴォーナ」が「534」kgと「馬体重」の傾向と一致しており、「前走の馬体重増減率」も増減量が「±10」kg以内に収まっているので問題ないと言えます。「斤量馬体重比率」に関しては、当日の「馬体重」によっては「サヴォーナ」が少し怪しいところではありますが、大方は傾向通りと言えます。
 「注目馬」は「ワープスピード」と「メイショウブレゲ」です。
 「ワープスピード」は「前走の馬体重」に関して、「メイショウブレゲ」はそれに加えて「前走の馬体重増減率」に関してが傾向とマッチしていないのですが、両馬とも中位~下位人気の馬としては十分に実力がある部類でありなおかつ前走の上りタイムが非常に良いため、注目できると思います。

 以上が「推奨馬」と「注目馬」になります。

今回の記事は以上になります。閲覧ありがとうございました!