どうも皆さま、先週は「北九州記念(G3)」の「レース傾向」を紹介しましたが、「注目馬」であげた2頭は3着外(ショウナンハクラクは掲示板に入りましたが…)という残念な結果でした。
一方で、先週のデータを見直したところ重大な定義ミスが存在したことが分かり、まずはその点に関してのお詫びと修正、そして修正を行った影響で今週分の「七夕賞(GIII)」の「レース傾向」に問題が発生しました。(後述)
そのため、今週の「七夕賞(GIII)」は「レース傾向」ではなく、レースで騎乗する「騎手の傾向」から解説を行うことにしました。
それではまず始めに、先週の分析の重大ミスについてからお話していきます。
解説の前に:先週の分析の重大ミス
「実質複勝率」の定義ミス
前回の記事では、「カイ二乗検定」が「0.05超過」であるときに
「実際の複勝数」≒「複勝数の期待値」
なので、「複勝率」は
「実際の複勝数/各属性・階級の出走数」≒「複勝数の期待値/各属性・階級の出走数」
よって
「複勝数の期待値/各属性・階級の出走数」=「各属性・階級の出走数/合計出走数」
という定義で説明をしましたが、
「複勝数の期待値」=
「各属性・階級の出走数」×「合計複勝数」÷「合計出走数」
であるため、
「複勝数の期待値/各属性・階級の出走数」=「合計複勝数/合計出走数」
という形になります。
つまり、統計期間5年間で出走した頭数に対する複勝に入った馬の割合ということです。
そのため、「各属性・階級の出走数」は関係がないという結論になるため先週の傾向はほぼ無意味なデータに近いということになります。(0.05以下の場合は「実際の複勝数/各属性・階級の出走数」になることは変わりないのでその場合は関係します)
非常に初歩的なミスであり大変申し訳ありませんでした。以後このようなミスが起こらぬように入念に計算ミスや定義ミスをチェックしていきます。
修正した結果による「七夕賞(GIII)」の「レース傾向」
さて、以上のように「実質複勝率」は最終的に「合計複勝数/合計出走数」or「実際の複勝数/各属性・階級の出走数」のどちらかになりますが、今週行われる「七夕賞(GIII)」の「レース傾向」を調べてみると以下の通りになりました。
ご覧の通り、主要なデータ項目において全て「カイ二乗検定」=「0.05超過」の結果になってしまいました。より詳細な分析でも調べてみましたが、ほとんどの項目で「カイ二乗検定」=「0.05超過」になってしまったので、「「レース傾向」の分析ではほぼ確立に差がない」という結論になります。
つまり、このままでは「レース傾向」を分析した記事が書けないという大変困った状況になります。様々な項目から分析をしたうえでこのようなことになるとは思いもしませんでした。
よって、今回はそんな状況であるため、「レース傾向」とは違う視点から分析を行うことにし、番外編という形で「騎手の傾向」のみから分析を行うことにしました。
騎手データの対象と項目
データ対象
本記事で解説する「騎手のデータ」は「七夕賞(GIII)」の出走予定馬に乗る騎手の「2019年~2023年」までの期間で「出走し完走したレース」を「データ対象」とします。降着のあった場合は、状況等を確認したうえで「降着後の順位」を参照しています。
データ項目
データ対象から抽出するデータ項目は以下の通りになります。
・競馬場:福島
・枠番
・距離:SMILE区分=”I”(インターミディエイト)(※1)
・オッズ
・馬体重
・馬場
以上、6項目に関しての「出走数」・「複勝数」を測定し、各種項目の「カイ二乗検定」の数値を考慮したうえで「実質複勝率」を算出し分析を行いました。
(※1):SMILE区分はワールド・ベスト・レースホース・ランキングに採用されている距離区分。
スプリント(S)=1000m~1300m
マイル(M)=1301m~1899m
インターミディエイト(I)=1900m~2100m
ロング(L)=2101m~2700m
エクステンデッド(E)=2701m~
「七夕賞(GIII)」に騎乗予定の「騎手の傾向」とは?
競馬場(福島)・枠番・距離(I)・オッズ(前日段階)の傾向
前日時点で分かっている競馬場・枠番・距離・オッズ(前日段階)の情報のみで比較を行うと、以上の表のようになります。
「平均複勝率」としてはやはり昨年の騎手リーディング6位であった「戸崎 圭太」騎手が抜けて高いです。騎乗予定の「レッドラディエンス」は前日時点で単勝1番人気・4.4倍の高人気でありその点も追い風となっています。「オッズ」以外の項目で特異的な偏りがない騎手なので、高人気であればどのようなレースでも信頼ができます。
「カレンルシェルブル」に騎乗予定の「田辺 裕信」騎手も「平均複勝率」としては比較的に高いです「田辺 裕信」騎手は距離に関して「複勝数」の偏りがあり、中長距離のレースの「複勝率」は他と比較して高めになっています。騎乗予定馬も前日時点で単勝5番人気・12.2倍と中人気程度にあるので複勝に入る可能性は十分にあると思います。
低人気ながら「平均複勝率」が高めの騎手として挙げられるのが「三浦 皇成」騎手です。騎乗予定の「ダンディズム」は単勝12番人気・23.4倍と人気順で言えば低人気ですが、オッズで考えてみれば決して低くはありません。「三浦 皇成」騎手の場合、「競馬場」に関して「複勝数」の偏りがあり、特に「福島」では「複勝率」で比較すると最も戦績が良いのです。穴馬としては十二分に期待ができると言えます。
馬場・馬体重の傾向
馬場・馬体重は当日にならないと分からないため、それぞれ各種条件における複勝率を表にしてまとめておきました。基本的に馬場・馬体重の条件によって「複勝数」に偏りが発生する騎手は稀であったためおそらく当日の「平均複勝率」に影響を及ぼすことは少ないと思います。
強いて言えば、「木幡 巧也」騎手・「石橋 脩」騎手・「内田 博幸」騎手・「松岡 正海」騎手・「原 優介」騎手は馬体重の条件によって「複勝数」に偏りがあるので当日その点を注視していただければいいかなと思います。
現時点での「注目馬」は?
上述した現時点で分かっているデータからの「平均複勝率」の傾向通り、「レッドラディエンス」・「カレンルシェルブル」・「ダンディズム」が「注目馬」です。今回掲載はしていませんが「タイム評価」としても3頭とも全く悪くないのでかなりいい成績を残すと思います。特に「ダンディズム」は穴馬として活躍する可能性は十分にあります。
今回の解説は以上となります。ご閲覧ありがとうございました!!