【コラム】なぜ3歳馬限定の重賞レースを解説しないのか?【解説指針】

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 どうも皆さま、今回は解説記事ではなく本サイトの方針・ポリシーに関してのお話で、いわゆるコラム近い記事になります。
 本ブログでは毎週重賞レース一つを取り上げて傾向を過去のデータから統計を取って解説していますが、今のところ3歳馬限定の重賞レースに関しては一切解説を行っていません。
 これには相応の訳があって現状そのような方針になっているのですが、本ブログを見て頂いている方の中には解説をしてほしいと感じている方や何故しないのか疑問に感じている方もいる思われます。
 そのため、それらの理由に関して説明をするために今回はちょっとした記事として取り上げることにしました。

そもそも、馬を評価する基準とは?

 順を追って説明するとして、まずは「評価を決める基準」についてから始めましょう。
 本ブログのように予想するレースの過去のデータを統計によって分析し「レース傾向」を調べるというのは非常に一般的な手法です。その傾向に合う馬・合わない馬を判断し評価をつけて最終的に絞り込みます。
 一方で、「レース傾向」以外にも出走馬の評価の付け方はあります。例えば「レースの走破タイム」を評価するという方法です。過去に走ったレースが同じ条件で行われたレースと比べて速い又は遅い部類に入るのかを判断し馬を評価するというものです。実際に活用されている評価方法としてはアメリカ競馬でメジャーな「スピード指数」という指標が挙げられます。これも非常に有名な方法であると言えます。
 他にも様々な評価方法に用いられている要素としては「負担重量」や「着差」、日本特有の要素としては「上りタイム(一般的に上り3ハロン=ラスト600mの走破タイム)」、レース以外の観点としては「血統」などが挙げられます。
 このように出走する馬の評価の仕方というのは様々あるのですが、ここでよく考えて頂きたいのが、一番最初に挙げた「レース傾向」についてです。
 他の要素と違い「レース傾向」は馬の実力そのものを評価するわけでなく、そのレースに適しているかどうかを評価します。勉強で例えば、テストの点数を評価しているというよりも、特定の科目・分野が得意であるかどうか評価しているという形になります。
 この点が大きな問題になります。本ブログの「レース解説」は基本的には「レース傾向」の観点のみを扱っており、前提としては出走馬の実力が一様であることになっているのです。そのため、そもそもの「馬の実力」を評価する観点がなく正確性に欠けています。レース結果が本ブログの解説と合致していないことがたびたびありましたが、つまりはこの欠点が影響を与えているのです。

なぜ「馬の実力」を評価しないのか?

 ここで、なぜ「馬の実力」を評価しないのか?という疑問を抱くと思います。
 実を言えば、過去には個人的に過去のレースタイムを収集して「馬の実力」を評価するという方法も行っていました。しかし、様々なデータを収集した結果として、厳密にレースタイムから正確な実力を図るには分類化がそれなりに必要になってくることが分かりました。そのため、自分が思っていたよりも遥かに膨大な情報量になると判断し、評価方法としては一時的に止めることにしたのです。
 そして、そもそも「馬の実力」が一様になりやすいレースをピックアップすればその点を考慮しなくてもおおかたは問題ないだろうと結論しました。その上で経験的に考えた結果、「2・3歳重賞レース」よりも「古馬重賞レース」の方が「馬の実力」が一様になりやすいと至ったのです。

備考:「馬の実力」のみを評価する欠点

 「馬の実力」のみを評価する場合の欠点としては、潜在的な適性を考慮できないという点です。極端な例としては、過去のレースで芝レースしか行っていなかった馬がダートレースを走る場合です。もしかしたら、芝よりもダートの方が向いていて好タイムを出す可能性があります。この場合、芝レースの時のレースタイムを評価したとしても意味がないということになります。
 「レース傾向」を評価した場合はもしかしたらその点を考慮できる場合もあり、「血統」の観点で評価すれば他の要素に比べて見抜ける可能性が高いと考えられます。
 このように、正確性を重視する場合はやはり複数の観点から評価をして総合的に判断することが肝心になるのです。しかし、その分情報量が膨大になるので分析をする側としても非常に大変であり、解説を聞く・見る側としても複雑になってしまうので混乱をさせてしまう要因になりかねないという問題もあります。
 現状本ブログで「レース傾向」のみを解説で扱っているのもこういった要因を含めた上でそういう方針になっています。

なぜ「古馬重賞」が一様になりやすいのか?

 一般的に「古馬重賞レース」を走る馬は大抵「3勝クラス(1600万下)」レースまで勝ってきたいわゆる「オープン馬」か、それと「同等の実績を積んだ馬」です。「オープン馬」と同等の実績としては、例えば3歳のクラシック重賞戦線で勝利している馬や勝利に至らなくとも複数回連対・複勝を経験したような馬です。それよりも実績がない馬だとしても、最低限は「2勝クラス(1000万下)」レースを勝っていることがほとんどです。
 それに比べて、「2・3歳重賞レース」を走る馬は「未勝利」レースを勝ったばかりの馬から「1勝クラス(500万下)」レースや「オープン」レースまで既に勝って2勝以上している馬まで実績の幅が広いのです。場合によっては「新馬」レース・「未勝利」レースで複数回連対・複勝をした未勝利の馬まで出走することがあります。
 そういった実績という観点で考えると、「古馬重賞レース」の方が「馬の実力」が一様になりやすいと考えられるのです。もちろん、3勝クラスを勝ったばかりの馬と複数の重賞レースを勝っている馬が出走して実力が一様であるかと考えると難しいところではありますが、あくまで出走馬を平均的に見た時に比較的に一様になりやすいという思います。
 「2・3歳重賞レース」も単に実績だけで勝敗が決するというわけではありませんが、やはり「古馬重賞レース」よりもその点が注目されるので実力勝負な傾向になると思います。そうなれば、「レース傾向」よりも「レースの走破タイム」や「上りタイム」などに重視して予想するのが一番であると言えます。

複数の観点から評価しよう!

 というわけで、「なぜ3歳馬限定の重賞レースを解説しないのか?」というお話のでした。
 もちろん、「馬の実力」の評価はやろうと思えば可能な範疇ではあるので現在もレースタイムのデータは収集を行っているのですが、本ブログで解説するにはまだ先になると思います。何とか今年の「皐月賞」はデータを揃えて解説をできるようにしたいと考えておりますので今しばらくお待ちください。
 「血統」の分析に関しても、情報量が莫大なことになりそうなのでまだまだ先になると思いますが、どうか首を長くしてお待ちください。
 
今回の記事は以上になります。閲覧ありがとうございました!!