【重賞レース2024】「安田記念(G1)」への布石!!「マイラーズC」の傾向とは?

レース別記事

 どうも皆さま、今回は「安田記念(G1)」のステップレースに位置づけられる「マイラーズC(G2)」の「レース傾向」を分析&解説していきます。
 マイル戦線の拡充のために1970年に創設された比較的に歴史のあるレース重賞レースで、元は阪神競馬場で行われていましたが、2012年からは京都競馬場へ移行、京都競馬場が改修工事があった期間は数年ぶりに阪神競馬場で開催されました。
 比較的に歴史のあるマイル戦であり、「安田記念(G1)」へのステップレースということもあり、出走予定メンバーは毎年強豪マイラーが揃うレベルの高いレースになり、予想するのもなかなか難しいところもあります。
 今回は過去5年間の「出走数」・「複勝数」・「複勝率」の3観点と、過去10年間の5年ごとの「複勝内比率」(複勝馬全体に対してその要素を持つ馬がどのくらいの割合いるのかを示した数値)を各項目ごとに算出し、その推移のデータも活用して「レース傾向」を分析していきます。
 ※4歳以上戦のタイムデータを収集し終えていないので、今回は「タイム評価」を掲載していません。「レース傾向」の分析だけでも十分に予想へ活用できるのでご容赦ください。

解説の前に:データ対象と統計項目について

 本ブログでは「過去5年間のデータ」での統計を推奨しているため、本記事でもその方針に則って統計を取り分析を行います。

データ対象

 本記事で解説するレース傾向は「2017年~2020年及び2023年」までの期間で「マイラーズC(G2)」に出走し完走した馬」を「データ対象」とします。
 「複勝内比率」の移動推移は「2017年~2020年及び2023年」までの期間で「マイラーズC(G2)」に出走し完走した馬」を「データ対象」と、5年ごとに「複勝内比率」を算出しています。
 また、「前走レースのデータ」は、前走が「海外レース」の場合は国内レースと同様のデータを取得できないため、「最後に出走し完走した「国内レース」を前走レースの参考データとします。前走が「未出走」または「未完走」の場合も同様に「最後に出走し完走した「国内レース」を前走レースの参考データとします。

統計項目

 データ対象から抽出するデータは「本レース項目」と「前走レース項目」の2種類に分けました。それぞれに該当する項目は以下になります。

本レース項目

枠番
性別
年齢
オッズ
馬体重
馬体重の増減率(※1)
斤量馬体重比
レース間隔
以上、8項目
(※1)馬体重の増減率は前走レース時と比較して算出。前走レースが「未出走」・「未完走」または「海外レース」の場合は「レース出走時点で最後に完走している国内レース」のデータを参照し、そのレ―スにおける馬体重と比較して算出。

前走レース項目

前走レースの開催競馬場
前走レースの格付け(※2)
前走レースのコース距離
前走レースの馬体重
前走レースの馬体重の増減率(※4)
前走レースの斤量馬体重比
以上、6項目
(※2)条件戦のクラスは現行の勝数による分け方を基準とし、過去のクラス分けは現行の基準で換算。(500万下⇒1勝クラス・1000万下⇒2勝クラス・1600万下⇒3勝クラス)
また、リステッドレースはオープンレースとして換算
(※3)前走の馬体重の増減率は前々走レース時と比較して算出。前々走レースが「未出走」・「未完走」または「海外レース」の場合は「前走レース出走時点で最後に完走している国内レース」のデータを参照し、そのレ―スにおける馬体重と比較して算出。

「マイラーズC(G2)」の傾向とは?

枠番

 それでは「枠番」の傾向からです。「複勝率」を見ると「6枠」が最も高く、次いで「4枠」が突出しているが分かります。10年間における「複勝内比率」の推移を見てもここ数年の中でも「6枠」と「4枠」であった馬の割合が「複勝内」で増加していることが分かり、明らかに有利な傾向と言えます。一方で、「3枠」であった馬の「複勝内比率」は低下傾向であるので警戒した方が良さそうです。「5枠」・「7枠」に関しても比較的に低い割合が続いているので推奨はできないです。

性別&年齢

 「性別」に関しては「牡馬・セン馬」一択な結果なので言えることは何もありません。
 「年齢」は「4歳」・「5歳」の若馬が有利な典型的傾向になっており、「複勝内比率」の推移を見ても「4歳」の割合が「5歳」の割合をここ数年で上回る傾向になっているのでほぼ確実に「4歳」有利といっていいでしょう。

オッズ・前走レースのオッズ

 「オッズ」は低オッズであればあるほど有利という典型的な堅いレースの傾向ですが、「21.6≦~<64.8」倍でも「複勝内」に入った事例が2度あったため穴馬が入る可能性も少なからずあるように見えます。しかし、「複勝内比率」の推移を見てると「オッズ」はここ数年で「2.4≦~<7.2」の割合が増加しており、より堅いレースになりつつある傾向なので荒れる展開になる可能性は極めて低いと言えます。

 「前走レースのオッズ」に関しても低オッズであればあるほど有利という典型的な堅いレースの傾向であり、「オッズ」よりも顕著だと言えます。「7.2≦~<21.6」倍までを目安に考えましょう。「複勝内比率」は「2.4≦~<7.2」倍が安定して高いのですがここ数年で少しずつ減少しつつあり、一方で「7.2≦~<21.6」倍が少しずつ上昇しているので、前走で人気中位であった馬でも「複勝内」に入る可能性は上向きと言えます。

斤量馬体重比・前走レースの斤量馬体重比

 「斤量馬体重比率」と「前走レースの斤量馬体重比率」は「複勝数」が分布している範囲が比較的に狭く、11.6<~≦12.2%の「複勝率」が最も高いという結果になっています。「複勝内比率」の推移を見ても分かる通り、「斤量馬体重比率」・「前走レースの斤量馬体重比率」ともにここ数年で11.6<~≦12.2%の割合が上昇しており、明白にトレンドとなっていると言えます。「前走レースの斤量馬体重比率」に関しては11.0<~≦11.6%の割合も安定して高いのでその範囲内の馬も要チェックと言えます。

馬体重・前走レースの馬体重

 「馬体重」と「前走レースの馬体重」は「複勝数」の分布が集中しており、「複勝内比率」の推移を見ても「480<~≦520」kgの範囲内に収まっているのがベストと言えます。
 比較的に「馬体重」は「480<~≦500」kgの「複勝内比率」がここ数年で上昇しているのでより有利な傾向であると言えそうです。
 「前走レースの馬体重」は「460<~≦480」kgの「複勝内比率」がここ数年で上昇しているのでより有利な傾向だと思われます。

馬体重増減率・前走レースの馬体重増減率

 「馬体重増減率」は「複勝率」は前走レースよりも軽くなっている馬の方が比較的に有利な傾向になっています。特に「-1.0<~≦0.0」%と「0.0<~≦1.0」%では大きく差が付いているので目安としては前走レースから馬体重に変化のない馬か減少している馬となります。「複勝内比率」の推移を見ても「-1.0<~≦0.0」%が安定して比較的に高く、最も信用ができる階級と言えます。
 
 「前走レースの馬体重増減率」は「馬体重増減率」の逆で比較的に前々走レースよりも重くなっている馬の方が有利な傾向になっています。「複勝内比率」の推移では、「0.0<~≦1.0」%の割合がここ数年で「-1.0<~≦0.0」の割合を上回っているので明確に有利な傾向になりつつあると考えられます。

レース間隔&前走レースのコース距離・場所・格付け

 「レース間隔」と前走レースの「格付け」・「競馬場」・「コース距離」の傾向です。
 
 「レース間隔」は「複勝数」が「中4週~中5週」以降から分布しているので、それ未満の間隔は避けた方が良さそうです。「複勝内比率」の推移を見ても「中2週~中3週」の割合が低下しているのでほぼ間違いないと言えます。「複勝率」としては「中6週~中7週」が最も高く、次いで「中12週~」の鉄砲明けの馬という傾向です。「複勝内比率」の推移としては「中12週~」が安定して高いので一番信用できると言えます。「中6週~中7週」に関しては「複勝内比率」としては低めになっているので偏りによるものとも受け取れるので過度な信用は禁物です。
 
 「前走のコース距離」は「出走数」では「芝1600」が多く、「複勝内比率」としてもここ数年で上昇傾向なので有利な傾向と言えそうです。高いので信用性は高い代わりに差が出にくい要素と言えます。一方で「出走数」が少ない「芝1400」・「芝1800」の「複勝内比率」が上昇傾向なので有利な傾向になりつつあると言えそうです。
 
 「前走レースの競馬場」は同じ条件の「京都」よりも「中山」の「複勝率」が最も高く「複勝内比率」としても安定して高いので最近の有利な傾向であると思われます。
阪神」・「京都」・「東京」に関しても安定して高い割合を推移をしており、過去5年間での「複勝率」も比較的に高いので有利な要素と言えそうです。
 
 「前走の格付け」に関しては前走「G2」の「複勝率」が最も高く「複勝内比率」の推移としても直近5年で「G3」を上回る割合にまで上昇しているので有利な要素と言えます。
 
 総合的に考えると、前走レースとして有利な候補は以下の通りです。

  • 中7週中山記念(G2)」
  • 中7週阪急杯(G3)」
  • 中10週東京新聞杯(G3)」
  • 中12週~「スポニチ賞京都金杯(G3)」
  • 中12週~「阪神カップ(G2)」

まとめ:現時点での「推奨馬」と「注目馬」は!?

 「推奨馬」は「セリフォス」と「コレペティトール」になります。
 「セリフォス」は一昨年の「マイルチャンピオンシップ(G1)」を勝った馬であり、「前走レースのオッズ」・「前走レースの斤量馬体重比率」・「前走レースの馬体重」・「前走レースの馬体重増減率」の4要素で有利な傾向の範囲内に該当しています。実力は既に証明されている馬なので一番信頼がおける馬であると言えます。
 「コレペティトール」は今年の「スポニチ賞京都金杯(G3)」を勝利しており、前走で有利な傾向のレースを走っているので期待ができます。「前走レースの斤量馬体重比」・「前走レースの馬体重」・「前走レースの馬体重増減率」の3要素で有利な傾向の範囲内に該当してもいるので、好走する可能性は出走馬の中でも特に高いと考えています。
 
 「注目馬」は「ソウルラッシュ」と「トランキリテ」です。
 「ソウルラッシュ」は「前走レースのオッズ」・「前走レースの馬体重」・「前走レースの馬体重増減率」・「前走レースの斤量馬体重比」の4要素で有利な傾向と一致しています。「年齢」が「6歳」である点が少し気になるのですが、前走の「香港マイル(G1)」・前々走の「マイルチャンピオンシップ(G1)」で好走をしているので期待ができます。

 「トランキリテ」は前々走でオープン入りを果たし、前走の「洛陽S(L)」で2着に入った勢いのある馬です。「枠番」・「前走レースのオッズ」・「前走レースの馬体重」・「前走レースの馬体重増減率」・「前走レースの斤量馬体重比」で5要素で有利な傾向と一致しているので、好走する可能性は比較的には高いのではないかと思います。

 以上が「推奨馬」と「注目馬」になります。

今回の記事は以上になります。閲覧ありがとうございました!!