どうも皆さま、今回の記事は3/24に行われるG1レース「高松宮記念」のレース傾向解説記事になります。
今年に入って2つ目のG1レースは春を告げる電撃戦「高松宮記念」ですね。ここ数年はたびたび波乱の展開を巻き起こり、正に雷に打たれたような衝撃的な結果になることが多いレースとなっています。
しかし、そんな嵐のようなレースでも傾向はあるはずです。今回も「出走数・複勝数・複勝率」の3要素からレース傾向を分析しましょう。
今年の「高松宮記念」の状況
ここ数年の「高松宮記念」は「重馬場」・「不良馬場」の状況でたびたび行われており、馬場のコンディションに左右される傾向がありました。今年に関しても馬場に関しても、前日の天候が「雨のち晴れ」・当日の天候が「曇りのち雨」と予想されているので運が良くても「稍重馬場」、おおよそは「重馬場」になることが想定されます。
一方で、昨年までのレース状況と変わらない可能性が高いということなので過去のレース結果と同じ傾向になりやすいと捉えることもできます。
出走予定馬としては昨年の「スプリンターズS」を勝った「ママコチャ」、重賞通算6勝で本レースをもって引退となる「メイケイエール」、スプリント重賞通算3勝で昨年の「高松宮記念」2着・「スプリンターズS」3着のトップスプリンター「ナムラクレア」、「阪神C」・「阪急杯」を勝利し重賞2連勝中の「ウインマーベル」、「京阪杯」・「オーシャンS」を勝利し同じく重賞2連勝中の「トウシンマカオ」、そして香港競馬から遠征してきたG1ホース「ビクターザウィナー」、とスプリント界のトップホース達が国内外から集結しています。
果たしてこの中の有力馬達が実力を見せつけるのか、それとも思いもよらぬ伏兵がどんでん返しを巻き起こすのか、過去の「高松宮記念」の出走馬のデータから傾向から分析していきましょう。
解説の前に:データ対象と統計項目について
本ブログでは「過去5年間のデータ」での統計を推奨しているため、本記事でもその方針に則って統計を取り分析を行います。
データ対象
本記事で解説する「高松宮記念」は「2019年~2023年」までの期間で「高松宮記念」に出走し完走した馬」を「データ対象」とします。
また、前走レースのデータは、前走が「海外レース」の場合は国内レースと同様なデータを取得できないので、「最後に出走し完走した「国内レース」」を前走レースの参考データとします。前走が「未出走」または「未完走」の場合も同様に「最後に出走し完走した「国内レース」」を前走レースの参考データとします。
降着により入線順位と異なる馬がいる場合、入線順位を参考データとして扱うことを検討しましたが、実際のレースの状況や映像などを確認したうえで、降着を踏まえて確定した順位が適正であると判断し、本分析の順位のデータは「降着を踏まえて確定した順位」としています。(対象:2020年・1位入線4位降着「クリノガウディー」)
統計項目
データ対象から抽出するデータは「本レース項目」と「前走レース項目」の2種類に分けました。それぞれに該当する項目は以下になります。
本レース項目
・枠番
・性別
・年齢
・オッズ
・馬体重
・馬体重の増減率(※1)
・斤量馬体重比率
・レース間隔
以上、8項目
(※1)馬体重の増減率は前走レース時と比較して算出。前走レースが「未出走」・「未完走」または「海外レース」の場合は「レース出走時点で最後に完走している国内レース」のデータを参照し、そのレ―スにおける馬体重と比較して算出。
前走レース項目
・前走レースの開催競馬場
・前走レースの格付け(※2)
・前走レースのコース距離
・前走レースの馬体重
・前走レースの馬体重の増減率(※4)
・前走レースの斤量馬体重比率
以上、6項目
(※2)条件戦のクラスは現行の勝数による分け方を基準とし、過去のクラス分けは現行の基準で換算。(500万下⇒1勝クラス・1000万下⇒2勝クラス・1600万下⇒3勝クラス)
また、リステッドレースはオープンレースとして換算。
(※3)前走の馬体重の増減率は前々走レース時と比較して算出。前々走レースが「未出走」・「未完走」または「海外レース」の場合は「前走レース出走時点で最後に完走している国内レース」のデータを参照し、そのレ―スにおける馬体重と比較して算出。
「金鯱賞」の傾向とは?
枠番の傾向
それでは早速「枠番」のデータから見ていきましょう。「複勝数」で見ると「3枠」・「6枠」以外には分布していることが分かります。その中でも「複勝率」が高いのが「2枠」・「5枠」
になっています。偶然なのか何かしらの理由があるのかは定かではありませんが、「複勝数」が分布していない「3枠」・「6枠」の内側の「2枠」・「5枠」が比較的に「複勝率」が高いという傾向になっているのが興味深いです。
内側外側の有利不利はそこまで大きな差が出ていないのでそれほど意識はしなくてもいいと思いますが、特定の枠番に関しては極端な傾向が見えるので気に留めておくと良いでしょう。
性別・年齢
「性別」と「年齢」の傾向です。「性別」は「オッズ」としては若干「牡馬」有利ではありますが、微々たる差なのでほとんど気にしなくていいと思います。
「年齢」では「4歳」~「8歳」までに「複勝数」が分布しており、「年齢」が若いほど高いというわけでもないので、他のレースと比べればあまり差が出にくい傾向と言えます。比較的には「4歳」と「6歳」の「複勝率」が高くなっているので若干有利ではあるかなという感じです。
オッズ・前走レースのオッズ
荒れやすいレースということもあり、「オッズ」に関しては幅広い階級に「複勝数」が分布しています。高い方が有利であることは一般的なレースと同様なので本命や軸にする馬はやはり「2.4≦~<7.2」倍の馬であるべきだと思いますが、他のレースと比べれば信用が低いと言わざるを得ないです。他の複数の傾向で有利な馬であるならば、「オッズ」の傾向を無視して本命や軸にする馬にしてもいいと思います。
「前走レースのオッズ」も「複勝数」の分布が幅広いですが、本レースの「オッズ」に比べれば狭いのでどちらかと言えばこちらを目安に考えるのがいいと思います。少なくとも「194.4≦~<583.2」倍以降は分布していないので最低ラインとしておくといいです。
斤量馬体重比率・前走レースの斤量馬体重比率
「斤量馬体重比率」は「複勝数」が分布して範囲が狭いので、見極める基準としては使いやすいかもしれないです。「10.4<~≦11.0」~「11.6<~≦12.2」%に分布しており、最も「複勝率」が高いのは「11.0<~≦11.6」%の範囲内となっています。
「前走レースの斤量馬体重比率」も「複勝数」が分布して範囲が「斤量馬体重比率」と同じになっているので、両方の要素で「10.4<~≦11.0」~「11.6<~≦12.2」%であれば問題ないと言えるでしょう。「前走レースの斤量馬体重比率」に関しては比較的に斤量の割合が高いほど有になっているので、なるべく「11.6<~≦12.2」%の馬を選ぶと良いと思います。
馬体重・前走レースの馬体重
「馬体重」と「前走レースの馬体重」に関しても「複勝数」の分布範囲が比較的に限られているので見極める基準に使いやすいと言えます。主に「460<~≦480」~「500<~≦520」kgの範囲内に「複勝数」が分布しており、「480<~≦500」kgの範囲内が「複勝率」の最高となっています。つまりは平均な馬体重に近い馬が有利という傾向なので、極端に軽い又は重い馬に関しては避けた方が良いと言えます。
馬体重増減率・前走レースの馬体重増減率
「馬体重増減率」は「複勝率」の傾向を見ると前走レースよりも軽くなっている馬の方が有利な傾向になっています。「-3.0≦~<-2.0」%で「複勝率」が最高になっており、減少幅が小さくなっていくほど低下していくので、軽くなっていればいるほど良いと言えます。
「前走レースの馬体重増減率」に関しては「複勝数」の分布範囲が広くなっており、減少増加の有利不利が特段にあるようには見えないので、分布範囲を用いて判断するということはできないと考えます。しかし、「出走数」が高い「-1.0≦~<-0.0」%の「複勝率」が比較的顕著に低い傾向ではあるので、前走レース時に前々走レースから馬体重の変化がない、もしくはおおよそ「4」㎏未満の減少であった馬は避けた方がいいかもしれないです。
前走レースの格付け・競馬場・コース距離
前走レースの「格付け」・「競馬場」・「コース距離」の3項目の傾向です。
「前走の格付け」は前走が「G2」レースだった馬の「複勝率」が最も高く、「G1」・「G3」はそこまで差がないようです。
「前走レースの競馬場」は「複勝数」が分布しているのは「中京」・「阪神」・「京都」・「中山」、比較的に「複勝率」が高かったのは「阪神」・「京都」となっています。前走の場所が「東京」以外の「中央場所」であった方が「複勝率」は高い傾向で、「ローカル」は「中京」でなければ避けた方が良いでしょう。
「前走のコース距離」は「出走数」が「芝1200」・「芝1400」に極端に集中しているので、それ以外であった馬はあまり信用ができないと言えます。
3項目を総合的に考えた時に有利と判断される前走レースは以下のようになります。
- 「G1」レース:「スプリンターズS」
- 「G2」レース:「阪神C」・「スワンS」
- 「G3」レース:「阪急杯」・「京都牝馬S」・「シルクロードS」・「京阪S」
レース間隔
「レース間隔」の傾向は「中2週~中3週」以降から「複勝数」が分布しているため、分布範囲は広くなっています。「中6週~中7週」で「複勝率」が最も高くなっているので、上述の「格付け」・「競馬場」・「コース距離」の3項目の傾向と合わせて考えると、前走レースが「シルクロードS」だった馬は比較的に有利であると言えます。
傾向の優先順位は?
以上のデータの傾向の強弱から項目に優先順位を付けるとするならば以下のようになります。
- 馬体重・前走レースの馬体重
- 斤量馬体重比率・前走レースの斤量馬体重比率
- 馬体重増減率・前走レースの馬体重増減率
- 枠番
- 性別・年齢
- オッズ・前走レースのオッズ
- レース間隔&前走レースの格付け・競馬場・コース距離
優先順位1位「馬体重・前走レースの馬体重」:「複勝数」が分布している範囲が比較的に狭く基準が明確であると判断し、本レースにおいては優先順位が最上位と考えます。
優先順位2位「斤量馬体重比率・前走レースの斤量馬体重比率」:上の「馬体重・前走レースの馬体重」と同様に、「複勝数」が分布している範囲が比較的に狭く基準が明確であるということで上位になると思います。
優先順位3位「馬体重増減率・前走レースの馬体重増減率」:「馬体重増減率」に関しては全体に軽くなっていればいるほど有利という明確な傾向がありました。「前走レースの馬体重増減率」は全体的な傾向はありませんでしたが、前走レース時に前々走レースと馬体重が変わっていない馬は不利という特徴がありました。
優先順位4位「枠番」:「3枠」・「6枠」は不利、その隣の「2枠」・「5枠」は比較的に有利という特徴がありました。とは言え、内側外側の有利不利はそこまで顕著ではなかったので傾向としてはそこまで明確ではないと思われます。
優先順位5位「性別・年齢」:「性別」に関しては微々たる差で、「年齢」は「複勝数」の分布範囲が「4歳」~「8歳」と比較的に広く、「複勝率」の差も比較的に大きくなかったので優先順位はそれほど高くないと判断しました。
優先順位6位「オッズ・前走レースのオッズ」:荒れやすいレースなので過度に気にする必要はないでしょう。他の要素の傾向を重視して予想した方が良いと思います。
優先順位7位「レース間隔」&「前走レースの格付け・競馬場・コース距離」:出走馬の前走レースがほとんど被っているので、明確に有利と言える馬があまりいません。差が顕著に出るとも言えないので、今回は優先順位を最低としました。
まとめ:現時点での「推奨馬」と「注目馬」は!?
「推奨馬」は「ソーダズリング」と「ナムラクレア」になります。
3頭とも「前走レースの馬体重」・「前走レースの斤量馬体重比率」が範囲内に収まっており、「前走レースの馬体重増減率」も馬体重がそれなりに変動していたので問題ありません。前走レースも有利と判断されるレースになっています。
「注目馬」は「ビクターザウィナー」と「テイエムスパーダ」と「モズメイメイ」です。
「ビクターザウィナー」は海外馬ということもあって前走レースに関してのデータを参照できないのですが、スプリントの本場とも言える香港競馬から遠征してきている上に、既にG1レースを勝っているという点で注目せざるを得ないと言えます。
「テイエムスパーダ」と「モズメイメイ」は「推奨馬」と同じく3つの項目において傾向の範囲内に収まっています。何よりも2頭とも「逃げ馬」であるため、「重馬場」が予想されている現状では前残りする可能性が高くなっています。「テイエムスパーダ」は「メイケイエール」と同じく本レースをもって引退となっているので頑張ってほしいものです。
以上が「推奨馬」と「注目馬」になります。
今回の記事は以上になります。閲覧ありがとうございました!!