どうも皆さま、今回は5/12に行われる牝馬マイル女王決定戦「ヴィクトリアマイル(G1)」の「レース傾向」の分析&解説と出走予定馬の「タイム評価」を紹介していきます。。
今回は過去5年間の「出走数」・「複勝数」・「複勝率」の3観点と過去10年間の「5年複勝率」の推移、過去5レースの「走破タイム」&「上がりタイム」から「タイム評価」を行って解説をしていきます。
「ヴィクトリアマイル2024」:出走予定馬のタイム評価
タイムの評価方法は、各条件(競馬場・芝コース距離・馬場)における「走破タイム」&「上がりタイム」の分布が「正規分布」的になると仮定したうえで、NORM.DIST関数を用いて平均タイムと標準偏差から各タイムが分布上の何処に位置づけられるかを算出し、算出された値をそれぞれ「走破指数」・「上がり指数」とし、各馬が直近に出走し完走したレース5走の平均値を算出します。
その平均値を「平均走破指数」・「平均上がり指数」とし比較を行います。
以下の表が今年の「NHKマイルC(G1)」の出走予定馬の「平均走破指数」・「平均上がり指数」をまとめたものになります。
「赤色の数値」は全体1位、「オレンジ色の数値」は全体2位、「青色の数値」は全体3位になっています。
走破タイム平均指数:上位3頭
全体1位「ウンブライル」:昨年の「NHKマイルC(G1)」2着、今年は「阪神牝馬ステークス(G2)」2着とかなり好成績を残している馬です。本年初戦だった「東京新聞杯(G3)」は9着と凡走をしましたが、牝馬の中なら実力は十分にある馬と言えます。現4歳世代の実力は現状怪しいと言われていますが、「NHKマイルC(G1)」で連対した実力がある牝馬なので限定戦ならば問題はないのではないかと思います。
全体2位「モリアーナ」:昨年の「紫苑S(G3)」の勝馬で、今年に入ってからは「阪神牝馬ステークス(G2)」3着の実績を残している馬です。直近5レースではほとんど掲示板に入っており、牡馬交じりのレースでも好走しているため牝馬として実力は申し分ないと思います。比較的に中距離のレースを走っていたので、スピードが求められるマイル戦でも通用するかが気になるところです。
全体3位「ナミュール」:昨年の「マイルチャンピオンシップ(G1)」の勝馬であり、今年の「ドバイターフ(G1)」の2着馬でもあります。今年の出走予定馬の中で最も実績のある馬と言って過言ではありません。遠征明けのレースになることが唯一の懸念点ですが、信頼性は最もある馬と思います。
上がりタイム平均指数:上位3頭
全体1位「テンハッピーローズ」:上がりタイムの平均指数は意外にも「テンハッピーローズ」が最も高かったです。確かに直近5レースの上がりタイムは各レースで3位以内の速さであったため数値的に高くなったのだろうと思われます。重賞レースは勝っていませんが、コンスタントに「芝1400」~「芝1600」を走っているうえに直近10レースで見ても二桁順位になったレースは一つもないです。ここで一発来てもおかしくはない馬だと思うので、期待をしてもいいのではないでしょうか。
全体2位「マスクトディーヴァ」:昨年の「ローズS(G2)」の勝馬であり「秋華賞(G1)」2着馬、今年の「阪神牝馬ステークス(G2)」は上述した「ウンブライル」・「モリアーナ」・「テンハッピーローズ」を抑えて勝利した馬です。実績は十分にあり、直近5レースの上がりタイムも各レースで3位以内の速さに入っているため文句なしと言ったところです。「ナミュール」と同じく軸馬にしたい馬になります。
青色の数値「モリアーナ」:走破タイム平均指数と同様です。総合的に見れば一番数値が良好な馬と言えそうです。上がりタイムの良さも考えればスピードレースとなってももしかしたら大丈夫かもしれません。
解説の前に:データ対象と統計項目について
本ブログでは「過去5年間のデータ」での統計を推奨しているため、本記事でもその方針に則って統計を取り分析を行います。
データ対象
本記事で解説する「レース傾向」は「2019年~2023年」までの期間で「「ヴィクトリアマイル(G1)」に出走し完走した馬」を「データ対象」とします。降着のあった馬に関しては、状況等を確認したうえで「降着後の順位」を参照しています。
また、「前走レースのデータ」は、前走が「海外レース」の場合は国内レースと同様のデータを取得できないため、「最後に出走し完走した「国内レース」」を前走レースの参考データとします。前走が「未出走」または「未完走」の場合も同様に「最後に出走し完走した「国内レース」」を前走レースの参考データとします。
統計項目
データ対象から抽出するデータは「本レース項目」と「前走レース項目」の2種類に分けました。それぞれに該当する項目は以下になります。
本レース項目
・枠番
・性別
・年齢
・オッズ
・馬体重
・馬体重の増減率(※1)
・レース間隔
以上、7項目
(※1)馬体重の増減率は前走レース時と比較して算出。前走レースが「未出走」・「未完走」または「海外レース」の場合は「レース出走時点で最後に完走している国内レース」のデータを参照し、そのレ―スにおける馬体重と比較して算出。
前走レース項目
・前走レースの開催競馬場
・前走レースの格付け(※2)
・前走レースのコース距離
・前走レースの馬体重
・前走レースの馬体重の増減率(※4)
以上、5項目
(※2)条件戦のクラスは現行の勝数による分け方を基準とし、過去のクラス分けは現行の基準で換算。(500万下⇒1勝クラス・1000万下⇒2勝クラス・1600万下⇒3勝クラス)
また、リステッドレースはオープンレースとして換算。
(※3)前走の馬体重の増減率は前々走レース時と比較して算出。前々走レースが「未出走」・「未完走」または「海外レース」の場合は「前走レース出走時点で最後に完走している国内レース」のデータを参照し、そのレ―スにおける馬体重と比較して算出。
「ヴィクトリアマイル(G1)」の傾向とは?
枠番
それでは「枠番」の傾向からです。「複勝数」の視点で見ると「7枠」以外の枠番には比較的に満遍なく分布しているので「7枠」を避けた方が良い傾向以外は特に特徴は無さそうです。過去10年間の「複勝率の推移」を見ても「7枠」はここ数年全く成果がないことが分かります。一方で比較的に「2枠」・「3枠」が安定して高い傾向なのでそこは狙いどころとして注目すると良いかもしれません。
年齢
「年齢」は「複勝率の推移」を見るとここ数年では若干「4歳」よりも「5歳」が有利な傾向になっており、「6歳」・「7歳」のベテランはやはり比較的に不利な様子です。「4歳」・「5歳」の「複勝数」がともに「5」以上であることから年平均で1頭以上3着以内に入っていることが分かるので、基本的には「4歳」・「5歳」の馬を選択すべきですね。「6歳」以降の馬は「タイム評価」で抜きん出てている数値でなければオススメはできないです。
オッズ・前走レースのオッズ
「オッズ」は他のレースと比較しても幅広く「複勝数」が分布していますが、基本的には低オッズ有利な堅実なレースになりやすい傾向です。特に「複勝率の推移」を見ると、低オッズ有利な傾向により傾いているので人気上位馬を狙っていくのが無難でしょう。「複勝数」が「5」以上の階級としては「2.4≦~<7.2」倍・「7.2≦~<21.6」倍が挙げられ、その範囲内の馬を選択するのが安定的です。
「前走レースのオッズ」に関しても「オッズ」と同様に低オッズ有利な傾向ですが、「2.4≦~<7.2」倍に「出走数」が集中しており、「複勝数」もその階級しか「5」以上でないので、信頼性が高い唯一の要素として注目できます。
馬体重・前走レースの馬体重
「馬体重」は「複勝率の推移」を見ると、ここ数年で「480<~≦500」kgの階級が上昇して最も高い「複勝率」になっており、牝馬としては少し重めの馬が有利な傾向になってきています。「複勝数」としても過去5年間で「5」以上あるので最も信頼できる階級と言えます。一方で「440<~≦460」kgの「複勝率」は低下傾向なので気を付けた方が良さそうです。また、「複勝率の推移」としては安定的に「420<~≦440」kgの牝馬としても軽めの馬の「複勝率」が高い傾向なので、極端に軽い又は重い馬に注目をすると良いかもしれません。
「前走レース・馬体重」も「馬体重」と似た傾向ですが、比較的には数値的な差はないのでそこまで気にする必要はなさそうです。強いて言えば、「420<~≦440」kg・「440<~≦460」kgの範囲内は比較的に低めなので少しマイナスに評価すると良いかもしれません。
馬体重増減率・前走レースの馬体重増減率
「馬体重増減率」の傾向は、「複勝数」が「-1.0<~≦0.0」%の階級で「5」以上あるので信頼できる階級と言えそうですが、その分「出走数」も多いので絞り込む条件としては使えなさそうです。一方で「-2.0<~≦-1.0」%の階級は「複勝率の推移」で見るとここ数年で上昇傾向であり、「0.0<~≦1.0」の階級は安定して比較的に高い傾向を維持しています。この二つの階級に関しては注目に値する点であると思います。
「前走レース・馬体重増減率」は「複勝数」が満遍なく分布しているので純粋に「複勝率」で比較できる要素となっています。「複勝率の推移」と併せて見ても、おそらくは極端な増減があった馬の方が有利ではありそうです。増減の変化が「±1.0」%未満であるならば少しマイナスに評価すると良いでしょう。
レース間隔&前走レースのコース距離・場所・格付け
「レース間隔」と「前走レース」の「格付け」・「競馬場」・「コース距離」の傾向です。
「レース間隔」:「出走数」の分布としては「中4週~中5週」が最も多いうえ「複勝数」が「5」以上あるので、信頼できる階級と言える分絞り込む条件としては使えなさそうです。一方で「複勝率」は「中4週~中5週」以降で上昇していき「中12週~」で最高値になっています。「複勝率の推移」も「中12週~」の「複勝率」はここ数年で上昇傾向なので狙い目と言えそうです。
「前走レース・コース距離」:「出走数」の分布としては「芝1600」が最も多いうえ「複勝数」が「5」以上あるので、上述した「中4週~中5週」と同じく信頼できる階級と言える分絞り込む条件としては使えなさそうです。一方で「芝1200」は「複勝率の推移」を見ると上昇傾向であり、「芝2000」は安定して比較的に高い傾向を維持しています。これら2点に関しては狙い目と考えられます。
「前走レース・競馬場」は「出走数」の分布としては「阪神」が最も多いうえ「複勝数」が「5」以上あるので、信頼できる階級と言える分絞り込む条件としては使えなさそうです。一方で、「中京」・「中山」は「複勝率の推移」を見るとここ数年で上昇傾向なので狙い目かもしれません。
「前走レース・格付け」に関しては「複勝率の推移」からして「G1」レースだった馬の「複勝率」が上昇しているので注目したいところです。「G2」レースよりも「G3」レースの方が若干「複勝率」が高いところも興味深い点ですが、それ以外の格付けの馬は「複勝内」にいないのであまり気にしなくてもいいのではないかと思います。
総合的に考えると、前走レースとして狙い目となるレースの候補は以下のようになります。
・中10週~中11週:「高松宮記念(G1)」
・中12週~「金鯱賞(G2)」
・中12週~「夕刊フジオーシャンS(G3)」
・中12週~「中山金杯(G3)」
・中12週~「中日新聞杯(G3)」
・中12週~「スプリンターズS(G1)」
まとめ:現時点での「推奨馬」と「注目馬」は?
「推奨馬」は「マスクトディーヴァ」と「ドゥアイズ」になります。
「マスクトディーヴァ」:「タイム評価」は良好で、「レース傾向」も複数の項目で「複勝数」が「5」以上ある要素に該当しているため信頼できます。強いて言えば、馬体重の傾向が傾向とマッチしていないので当日の馬体重が気になるところではあります。現状の最有力として挙げられます。
「ドゥアイズ」:「タイム評価」は「平均走破指数」・「平均上がり指数」は共に出走予定馬の中で上位~中位になっており、「レース傾向」も複数の項目で「複勝数」が「5」以上ある要素に該当しているため信頼できます。当日の人気次第にはなりますが、現状の様子からして「オッズ」の項目に関しても問題は無さそうです。比較的に穴馬と言えそうですが期待は十分にできます。
「注目馬」は「ナミュール」と「ハーパー」です。
「ナミュール」:やはり「平均走破指数」・「平均上がり指数」ともに良好であり実績も十分、 「レース傾向」との相性も悪くはないので文句なしで注目したい馬です。一方で遠征明けであることが唯一の懸念点で、個人的には気になるところではあるので「推奨馬」とまでは評価しませんでした。
「ハーパー」:「レース傾向」と最も相性が良さそうな馬であったのがこの「ハーパー」でした。前走レースの「大阪杯(G1)」は大敗という結果でしたが、直近の牝馬限定戦のみで見れば好成績を出しており、牝馬の中ではトップの実力がある馬だと言えます。展開や傾向と合致すれば複勝内に入る可能性は非常に高いと考えていますが、一方で直近5レースが「芝2000」以上の距離であることが気になるので今回は「注目馬」として評価します。
以上が「推奨馬」と「注目馬」になります。
今回の記事は以上になります。閲覧ありがとうございました!!