どうも皆さま、今回は3歳短距離チャンピオン戦である「NHKマイルC(G1)」の「レース傾向」の分析&解説と「タイム評価」をしていきます。
「NHKマイルC(G1)」は3歳馬の限定戦としては唯一の短距離系の「G1」レースであり、毎年有望な快速馬達が揃う一戦となっております。
今回は過去5年間の「出走数」・「複勝数」・「複勝率」の3観点と、過去5走の結果から「タイム評価」を行って解説をしていきます。
※今回は過去10年間の5年ごとの「複勝内比率」(複勝馬全体に対してその要素を持つ馬がどのくらいの割合いるのかを示した数値)の推移のデータは掲載していません。
NHKマイルC2024:出走馬のタイム評価
タイムの評価方法は、各条件(競馬場・芝コース距離・馬場)における「走破タイム」&「上がりタイム」の分布が「正規分布」的になると仮定したうえで、NORM.DIST関数を用いて平均タイムと標準偏差から各タイムが分布上の何処に位置づけられるかを算出し、算出された値をそれぞれ「走破指数」・「上がり指数」とし、各馬が直近に出走し完走したレース5走の平均値を算出します。
その平均値に各レースの「走破タイム」&「上がりタイム」の「変動係数」を算出し、同じくNORM.DIST関数を用いて算出した値の平均値を掛け合わせることで補正を行い、算出された値を「平均走破指数」・「平均上がり指数」としました。
以下の表が今年の「NHKマイルC(G1)」の出走予定馬の「平均走破指数」・「平均上がり指数」をまとめたものになります。
「赤色の数値」は全体1位、「オレンジ色の数値」は全体2位、「青色の数値」は全体3位になっています。
走破タイム平均指数順位
全体1位「ジャンタルマンタル」:「平均走破指数」の全体1位は「ジャンタルマンタル」でした。昨年の「朝日杯FS(G1)」1着、今年の「皐月賞(G1)」3着の馬であるので当然と言えるでしょう。やはり実力としては出走メンバーの中でピカイチと言っていいと思います。文句なしでトップホースです。
全体2位「ダノンマッキンリー」:今年の「中スポ賞ファルコンS(G3)」の勝馬ですが、その時の「走破指数」・「上がり指数」が非常に高く、「変動係数」の値を見てもレベルの高いレースが行われたことが分かっています。実力としては十分トップに入る部類の馬であると思います。
全体3位「エンヤラヴフェイス」:この記事を書いている段階では最下位人気の馬となっていますが、過去5レースで重賞レースを連戦しているうえにどのレースの「変動係数」の値も悪くなかった影響で比較的に「平均走破指数」が高く評価されています。順位的にも直近3走は一桁順位を維持しており、展開が向けば複勝圏内に入ってもおかしくはないと思います。
上がりタイム平均指数順位
全体1位「チャンネルトンネル」:最近に福永厩舎へ移籍したことで話題にもなった馬です。末脚に関しては非常にいいものを持っており、前走の「アーリントンC(G3)」でも上がりタイム「32.5」秒と3歳時点では目を見張るタイムを叩き出しています。末脚勝負の展開になったならば一番に期待したいです。
全体2位「アルセナール」:今年の「デイリー杯クイーンC(G3)」で2着だった馬です。キャリアとしては計2戦しかしていない馬なので正当に評価できているか怪しい所がありますが、逆に考えれば潜在能力が最もある馬とも言えるので「レース傾向」と合わせて検討をしたい馬ではあります。
青色の数値「エンヤラヴフェイス」:「平均走破指数」と同様です。そういった事も含めれば、出走馬の中で最も安定している馬と言えます。複勝圏内に入るかどうかを置いて考えれば、ある意味で一番信頼できる馬と思います。
解説の前に:データ対象と統計項目について
本ブログでは「過去5年間のデータ」での統計を推奨しているため、本記事でもその方針に則って統計を取り分析を行います。
データ対象
本記事で解説する「レース傾向」は「2019年~2023年」までの期間で「「NHKマイルC(G1)」に出走し完走した馬」を「データ対象」とします。降着のあった馬に関しては、状況等を確認したうえで「降着後の順位」を参照します。
また、「前走レースのデータ」は、前走が「海外レース」の場合は国内レースと同様のデータを取得できないため、「最後に出走し完走した「国内レース」」を前走レースの参考データとします。前走が「未出走」または「未完走」の場合も同様に「最後に出走し完走した「国内レース」」を前走レースの参考データとします。
統計項目
データ対象から抽出するデータは「本レース項目」と「前走レース項目」の2種類に分けました。それぞれに該当する項目は以下になります。
本レース項目
・枠番
・性別
・年齢
・オッズ
・馬体重
・馬体重の増減率(※1)
・レース間隔
以上、7項目
(※1)馬体重の増減率は前走レース時と比較して算出。前走レースが「未出走」・「未完走」または「海外レース」の場合は「レース出走時点で最後に完走している国内レース」のデータを参照し、そのレ―スにおける馬体重と比較して算出。
前走レース項目
・前走レースの開催競馬場
・前走レースの格付け(※2)
・前走レースのコース距離
・前走レースの馬体重
・前走レースの馬体重の増減率(※4)
以上、5項目
(※2)条件戦のクラスは現行の勝数による分け方を基準とし、過去のクラス分けは現行の基準で換算。(500万下⇒1勝クラス・1000万下⇒2勝クラス・1600万下⇒3勝クラス)
また、リステッドレースはオープンレースとして換算。
(※3)前走の馬体重の増減率は前々走レース時と比較して算出。前々走レースが「未出走」・「未完走」または「海外レース」の場合は「前走レース出走時点で最後に完走している国内レース」のデータを参照し、そのレ―スにおける馬体重と比較して算出。
「NHKマイルC(G1)」の傾向とは?
枠番
それでは「枠番」の傾向からです。「複勝率」を見ると「5枠」が最も高く、次いで「2枠」、「8枠」が比較的に高い傾向です。基本的にはどの枠番にも「複勝数」が分布しているので極端に不利を意識する必要は無さそうですが、「5枠」が突出していることを考えられば軸馬はなるべく「5枠」を選びたいと感じます。
性別
「性別」に関しては「牝馬」・「牡馬・セン馬」でほぼ差が無いのであまり意識はしなくて良いでしょう。
オッズ・前走レースのオッズ
「オッズ」は他のレースと比較しても幅広く「複勝数」が分布しているので過度に意識するのは禁物です。評判よりも「タイム評価」や他の「レース傾向」を意識して選ぶことをおススメします。
「前走レースのオッズ」に関しては「オッズ」に比べればまだ信頼が置けそうです。低人気でも「21.6≦~<64.8」倍までを目安に考えましょう。とは言え、絞り込む条件としてはあまり使えないと言わざるを得ないのでそこまで意識しなくていいでしょう。
馬体重・前走レースの馬体重
「馬体重」と「前走レースの馬体重」は「複勝数」の分布が比較的に軽量な方へ寄っており、「400<~≦480」kgの範囲が好ましいと言えます。3歳時点で500kg超えている馬はあまりいないので絞り込みに使える条件かは微妙なところですが、意識しておきたいポイントになりそうです。
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馬体重増減率・前走レースの馬体重増減率
「馬体重増減率」・「前走レースの馬体重増減率」ともには「複勝率」は前走レースよりも軽くなっている馬の方が比較的に有利な傾向になっています。なるべく「-3.0<~≦0.0」の範囲の馬を狙いたいです。
レース間隔&前走レースのコース距離・場所・格付け
「レース間隔」と前走レースの「格付け」・「競馬場」・「コース距離」の傾向です。
「レース間隔」は「出走数」の分布からして「中2週~中3週」が鉄板のようで、「複勝率」も比較的には高い部類ではあります。他の間隔はサンプル数が少ないので判断が難しいですが、他の3歳戦と違い「中12週~」の鉄砲明けの馬の戦績は前例が少ないうえに「複勝」の実績もないので覚えていくと良いでしょう。
「前走のコース距離」は「出走数」では「芝1600」が多く、ほぼ鉄板と言えるでしょう。一方で最も「複勝率」が高いのは「芝2000」なので、差が出る要素としては注目したいポイントです。
「前走レースの競馬場」は「京都」・「中山」・「中京」の3強であり、これ以外の場所であった馬は避けた方が良いでしょう。
「前走の格付け」に関しては重賞レースであることが前提な傾向ですが、それ例外に差が出る要素が無さそうです。
総合的に考えると、前走レースとして有利な候補は多くのクラシックステップレースが該当するため特定のレースに絞り込むことが難しいです。
まとめ:現時点での「推奨馬」と「注目馬」は?
「推奨馬」は「ジャンタルマンタル」になります。
「レース傾向」はあまり良好ではないのですが、それを加味しても無視できない「タイム評価」になっているので一押しになります。当日の馬体重などを見たうえで最終判断になりますが、現時点で軸馬にするならこの馬しか挙げられないです。
「注目馬」は「エンヤラヴフェイス」です。
やはり「平均走破指数」・「平均上がり指数」ともに良好であること、 「レース傾向」の相性も悪くはないという点で気になる馬です。最下位人気の複勝は「カワキタレブリー」で前例があるため、当日のオッズを考慮しても可能性はあります。個人的には一番応援したい馬です。(馬券を買えるなら買っておきたいくらいです)
以上が「推奨馬」と「注目馬」になります。
今回の記事は以上になります。閲覧ありがとうございました!!