【重賞レース2024】「北九州記念(G3)」の「レース傾向」と「注目馬」

レース別記事

 どうも皆さま、実に2週間ぶりの「レース分析解説」の記事になります。先々週の「マーメイドS(G3)」と先週の「宝塚記念(G1)」は例年と異なり京都競馬場での開催であったため、過去のレースを参照している「レース分析」では不正確である可能性が極めて高かったので見送ることしました。
 今週の「北九州記念(G3)」もまた例年と異なる開催になっています。昨年までは「8月開催」でしたが、今年は「6月開催」になっており、ローテーションとしては昨年とは異なる傾向になることが必至です。
 とは言っても、開催される競馬場は変わりないため、「レース傾向」が大きく変わることはないと思われます。そのため、いつも通りの「レース分析」の手法で今回も解説を行ってきます。
 (いつも通りとは言っても今回からの分析の変更点が多々ありますのでご留意ください。)

解説の前に:分析の変更点とデータ対象及び統計項目について

 本ブログでは「過去5年間のデータ」での統計を推奨しているため、本記事でもその方針に則って統計を取り分析を行います。

今回の分析からの変更点

「前走レース⇒国内直近5レース」へ変更

 今回から完全に「前走レース」から「国内直近5レース」に変更して分析を紹介していきます。基本的には「国内直近5レース」の「平均値・中央値」を扱い、「国内直近5レース」のレースのデータに関しては記事では取り上げないつもりです。(全て記事で紹介するにはあまりにも膨大な量なのでご勘弁ください。裏で行っている数値評価では「国内直近5レース」全ての項目別分析も含めて評価しています。)

「複勝率⇒実質複勝率」へ変更

 前回の記事で紹介したように⇒https://keibaanalysis.com/archives/794 実際の複勝数はカイ二乗検定を用いることで複勝数の期待値と誤差の範囲で一致しているのかを判定することでき、ほとんどの項目においてそれは誤差の範囲に収まることが分かっています。
 そのため、
 「実際の複勝数」≒「複勝数の期待値
 なので
 「複勝数の期待値/その属性・階級の出走数」=「その属性・階級の出走数/合計出走数
 という形がほとんどの項目で成立します。よって、カイ二乗検定をで複勝数の期待値と誤差の範囲で一致している項目に関しては、「その属性・階級の出走数/合計出走数」を、一致しない場合は今まで通りの「複勝率」と同じ算出方法を用い、それらをまとめて「実質複勝率」とします。
 これ以降の分析では「実質複勝率」を用いて解説することを前提にしていきます。

再検証のため「タイム評価」の掲載停止

 以前から正規分布に基づいて各条件(競馬場・距離・馬場の組み合わせ)における走破タイム・上がりタイムの平均値・標準偏差から出走馬の過去レースの走破タイム・上がりタイムを評価していましたが、正確性に関していくつか気になる点があったためしばらく掲載を停止します。
 タイムの正規分布を用いた評価法に関しては最近新しい観点による検証もしているためそれも含めた上で記事にしていきたいと考えているので少し時間が掛かるかもしれません。

データ対象

 本記事で解説するレース傾向は「2019年~2023年」までの期間で「北九州記念(G3)」に出走し完走した馬」を「データ対象」とします。降着のあった馬に関しては、状況等を確認したうえで「降着後の順位」を参照しています。
 また、国内直近5レースデータ」は、「データ対象」の馬が本レース前までに「出走し完走した「国内レース」を5レースを対象として収集しています。

統計項目

 データ対象から抽出するデータは「本レースデータ」と「国内直近5レースデータ」の2種類に分けました。それぞれに該当する項目は以下になります。

本レースデータ

枠番
年齢
斤量馬体重比
オッズ
馬体重
馬体重の増減率(※1)
レース間隔
以上、7項目
(※1)馬体重の増減率は前走レース時と比較して算出。前走レースが「未出走」・「未完走」または「海外レース」の場合は「レース出走時点で最後に完走している国内レース」のデータを参照し、そのレ―スにおける馬体重と比較して算出。

国内直近5レースデータ

直近5走の平均オッズ
直近5走の平均斤量馬体重比
直近5走の平均レース距離(芝のみ)
直近5走の平均前走レースの馬体重
直近5走の平均馬体重増減率(※4)
直近5走の中央レース間隔
以上、6項目
(※2)条件戦のクラスは現行の勝数による分け方を基準とし、過去のクラス分けは現行の基準で換算。(500万下⇒1勝クラス・1000万下⇒2勝クラス・1600万下⇒3勝クラス)
また、リステッドレース(L)・格付け未定重賞レース(葵S=重賞)はオープンレース(OP)として換算
(※3)前走の馬体重の増減率は前々走レース時と比較して算出。前々走レースが「未出走」・「未完走」または「海外レース」の場合は「前走レース出走時点で最後に完走している国内レース」のデータを参照し、そのレ―スにおける馬体重と比較して算出。

「北九州記念(G3)」の傾向とは?

枠番の分析

 それでは「枠番」の傾向からです。「複勝数」は過去5年間で極端に偏りが発生している傾向はなく、「カイ二乗検定」を用いた期待値との照合を見ても「0.05超過」なのでほぼ「各枠番の出走数」と傾向が一致していることが分かりました。よって、「7枠」・「8枠」が他の枠番と比較して「5%」ほど有利ではありますが、ほぼほぼ差がないと言っていいでしょう。あまり気にしなくよいと思います。

年齢の分析

 「年齢」は「カイ二乗検定」で「0.05超過」になっているため、「実質複勝率」は「各階級の出走数」に従います。よって、最も有利な可能性が高いのは「5歳」になります。「実際の複勝数」も「3歳~6歳」にほぼ同数で分布しているので基本的にはその範囲が有効と言えるでしょう。ベテランの「7歳~」はなるべく避けたいです。

斤量馬体重比・平均斤量馬体重比の分析

 「斤量馬体重比」・「平均斤量馬体重比」は共に「カイ二乗検定」で「0.05超過」になっているため、「実質複勝率」は「各階級の出走数」に従います。よって、共に最も有利な可能性が高いのは「11.0<~≦11.6%」の階級になります。それ以外は「11.0<~≦11.6%」の階級から離れていくほど確率が低下していく傾向です。「平均斤量馬体重比」の場合は次点の「11.6<~≦12.2%」とそれほど差がないため基本的にはそれらを合わせた「11.0<~≦12.2%」が無難な範囲と言えそうです。

オッズ・平均オッズの分析

 「オッズ」・「前走レースのオッズ」は共に「カイ二乗検定」で「0.05未満」なので、「実質複勝率」は「各階級の出走数に対する実際の複勝数」に従います。よって、「オッズ」は「~<194.4倍」、「平均オッズ」のデータは、「~<64.8倍」が最低ボーダーラインになることが分かります。「オッズ」に関しては絞り込む条件として扱いにくいですが、「平均オッズ」ならばもしかたらある程度絞り込む条件に使えるかもしれません。大方の本命馬に関しては「オッズ」・「前走レースのオッズ」ともに「0.8倍≦~<21.6倍」の範囲の馬から選定することにはなります。それ以外で、他の項目のデータも良好な馬がいれば「オッズ」が「~<194.4倍」、「平均オッズ」が「~<64.8倍」の条件に合っていればヒモで入れるといいと思います。

馬体重・平均馬体重

 「馬体重」・「平均馬体重」は共に「カイ二乗検定」で「0.05超過」になっているため、「実質複勝率」は「各階級の出走数」に従います。よって、最も有利なのは「460kg<~≦480kg」・「480kg<~≦500kg」の2階級だと考えられます。有効な可能性が少なくともある範囲で言えば共に「420kg<~≦520kg」の範囲になるため絞り込む条件としては使いにくいと思いますが、最低限の目安として考えてみるといいのではないでしょうか。

馬体重増減率・平均馬体重増減率

 「馬体重増減率」・「平均馬体重増減率」は共に「カイ二乗検定」で「0.05超過」になっているため、「実質複勝率」は「各階級の出走数」に従います。よって、最も有利な階級はそれぞれ「-1.0%<~≦0.0%」・「0.0%<~≦0.3%」の階級になります。
 「馬体重増減率」に関してはそれ以外の階級で出走数が「馬体重増加」の方へ偏っているため、確率もそちらへ集中しています。なるべく当日レースで馬体が増えている馬を選ぶと良いでしょう。(暑さで夏バテしやすい状況なのでそういった面でも増加している馬は健康な証と言えるので良好です)
 「平均馬体重増減率」に関してはそれ以外の階級は「0.0%<~≦0.3%」から離れていくほど確率が低下していきます。よって、大方の範囲としては「-0.3%<~≦0.6%」が絞り込む条件として有効であると言えます。

レース間隔・中央レース間隔の分析

 「レース間隔」と「中央レース間隔」は共に「カイ二乗検定」で「0.05超過」になっているため、「実質複勝率」は「各階級の出走数」に従います。よって、最も有利な階級はそれぞれ「中12週~」・「中4週~中5週」になります。
 「レース間隔」は「中4週~中5週」・「中6週~中7週」・「中12週~」に集中しているためそれらに該当する馬を前提に考えましょう。「中央レース間隔」に関してもほぼ同様で「中4週~中5週」・「中6週~中7週」に集中しているためそれらに該当する馬を選んでいくべきです。

平均距離(芝のみ)の分析

 「平均距離(芝のみ)」は「カイ二乗検定」で「0.05超過」になっているため、「実質複勝率」は「各階級の出走数」に従います。よって、最も有利な階級は「~≦1200m」になります。
 基本的には「平均1200m±200m」が目安になると思われます。それよりも長い距離を走っている場合は不利な可能性が高いです。

「北九州記念(G3)」の「注目馬」

 注目馬は「エイシンスポッター」と「ショウナンハクラク」になります。
 両馬ともに「年齢」・「平均オッズ」・「馬体重」・「馬体重増減率」・「平均距離」・「レース間隔」において有効な範囲に収まっており可能性は高いと見込んでいます。「エイシンスポッター」に関しては前日時点で人気中位に入っていますが、「ショウナンハクラク」は人気下位の大穴馬なのでうま味は大きいです。戦績としても前走以外は悪くない走りをしているので可能性は無くはないと言えます。

 今回の記事は以上になります。閲覧ありがとうございました!!